2012.02.14
F生

『ミレニアム1』と『ジェノサイド』

2012年になったと思ったら、もう2月半ばです。
気がつくと当社の構成員が増加したらしく、このブログの当番も緩慢に訪れるようになりました(前回は昨年12月でした)。
と言っても、その余裕を利用して事前準備をするわけでもなく、今回も締切当日に慌てて書き始めたわけで・・・。

それはさておき、当社は年中無休のサーバーと一緒に仕事をしている関係上、当然年末年始のお休みもなく、お正月からサーバーを監視しているメンバーもいるわけで・・・。
そして、その年末年始の当番こそ、当社の子会社(株式会社サービスデスク)のメンバーだったりするわけです。

お正月だからといって、サーバーが休んでくれるはずもなく、いつ何時障害が発生しても対応するぞ!と目を光らせているわけですが、なぜかサーバーが空気を読んでアラートを発しないのです。
正月早々、穏やかです。(はっきり言うと、ヒマです ← あ、禁句!!)

だからといって、お屠蘇を呑んでダラダラしているわけにもいかないので、仕事の支障のない範囲で読書などをするわけで、そのお正月に読んだ本のうちで、ご紹介しようと思ったのが表題の『ミレニアム1』と『ジェノサイド』だったりするわけです(どちらもベストセラーですが、共通して気になったことがあったので・・・)。

※あっ、「わけで」が多い読みづら~い文章のため勘違いする人がいるかもしれませんので、念のために言っておくと、サーバーを監視しているメンバーと本を読んでいる私は同一人物ではありませんっ(きっぱり)。

『ミレニアム1』は三部作の第一部で、副題が「ドラゴン・タトゥーの女」です。

辰年の今年にぴったりですねぇ・・・「ドラゴン・龍(たつ)の女」・・・(ダジャレか?!)。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) [文庫] / スティーグ・ラーソン (著); ヘレンハルメ 美穂, 岩澤 雅利 (翻訳); 早川書房 (刊)

今まさにこの本を原作にした映画が上映されていますので、ご存じの方も多いと思いますが、本作はスウェーデンの長編ミステリーで、40年前に失踪した富豪一族の少女の事件を調査する雑誌「ミレニアム」の記者ミカエルと凄腕女性調査員リスベット・サランデルが主人公の骨太な小説です。
因縁の富豪一族を中心に、密室(というか閉じた空間)や暗号の謎、過去の凄惨な事件の真相などが絡み合い、もつれ合い、口うるさい(!)ミステリーファンにも十分に楽しめる趣向が凝らされています。
特に凄腕女性調査員リスベット・サランデルのキャラクターが立ってます。彼女の明かされていない過去が、なにかを予感させて怖いのです。だから臆病な私は第二部以降に手が出せません・・・。

『ジェノサイド』は、SFとミステリーとハードボイルドと冒険小説を融合したようなエンターテインメントです。
事件は、ホワイトハウスに端を発し、イラクからアフリカに展開しつつ、並行して日本でも事件が勃発。
世界規模で展開する事件が大団円に向かって収斂していく爽快さで600ページ弱の本を一気に読ませます。

ジェノサイド [単行本] / 高野 和明 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)

どちらも間違いなくヒマつぶしに最高なお薦め本です。

でも、はじめに書いたように両方の本に共通して、ちょっと気になったことがあるのです。
どちらもストーリーの末端まで、科学的に根拠がある(ようにみえる)リアルな作品なのですが、そのストーリーの根幹を支えているのがハッキングで入手した情報なのです。

通常のミステリーでは、地道な調査(聞き込みや過去の新聞や雑誌など)とご都合主義の偶然(!)の発見で事件の鍵を見つけるのですが、この2作は、ありえないようなハッキング手法で情報を入手するのです。

ネタバレになるので(もう、なってる?)これ以上は書きませんが、RSA暗号を瞬時に解読したり(ありえな~い)、ルーター機能を持つ指輪サイズの機器(ありえな~い)を使って不正アクセスするなんて・・・・・・ミステリーの反則じゃないの?

な~んて、どうでもいいことを考えていた2012年の年明けのことでした。

きょうの教訓 「面白い本は屁理屈を言わず、黙って読もう!!」                         (F生)

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