アベノ○クスとやらで、景気がよくなっているらしいですね。
連日、株価の日経平均は右肩上がりで、バブル時代を彷彿とさせます。
でも、私の身辺では景気のいい話はあまり聞きません。
(私の周りだけかもしれませんが)
外国でも同じようなことを感じてる人たちがいるらしく、今回はそんな本を読んでみました。
「機械との競争」(エリク・ブリニョルフソン , アンドリュー・マカフィー 共著 日経BP社)
<内容の超訳>
景気はリーマンショックから回復傾向にあるのに、雇用状況は良くならないのは何故なのか?という疑問の解明に乗り出した著者たちは、コンピュータが人間の雇用を奪っていることに気づく。
過去の産業革命(第一次=蒸気機関、第二次=電気)の時は、機械が一時的に人間の雇用を奪っても、新規産業が立ち上がり失業を上回る新規雇用が創出されたのに、今回はその気配がないのだ。
これは何故なのか?とまたまた考察した結果、技術革新が急速に進み、大抵の人間の仕事はコンピュータが代行できるようになったためだと気づく。
このままでは上級管理者と肉体労働者以外は必要のない社会になってしまう。
この流れは変えられないのか?と、考察の結果・・・・・・最後は割と楽観的な結論になったりしてます。。。
(まあ、その結論はあまり面白くないので割愛させていただきます←オイオイ)
つまり、著者によれば、技術革新のスピードはチェス盤の後半に差し掛かっているのだそうです。
(「つまり」と書いたのに、なんの結論にもなってないですね)
チェス盤の後半とは・・・まず、チェスの64個のマス目の最初のマスに米粒を1粒置きます。その隣に倍の2粒を置きます。そのまた隣に倍の4粒を置きます。そのまた隣のマスに倍の・・・(以下続く)、で32マス目でトータル40億粒を超えてしまいます。その後も倍倍で行きますと、64マス目の数値はとても計算できないな、と。
・・・そういうわけで、技術革新のスピードは幾何級数的に増していくのに、そのスピードに追いつけない人間は機械に支配されてしまい、コンピュータの動力源として狭い空間に閉じ込められてしまうのでした、ネオが目覚めるまでは。(という「マトリックス」の話はいらないですね)
ところで、チェス盤の後半と似た話は昔から日本にもあります。
有名な話としては、曽呂利新左エ門が豊臣秀吉から褒美をもらう話。
「1日目に米を一粒ください、その翌日は倍の2粒、その翌日は倍の4粒、と81日目(将棋のマス目)まで毎日前日の倍いただければ・・・」と願い出たところ、秀吉は何も考えずに、むしろ「控えめな奴じゃ」くらいに思って、快諾したところ、1か月もしないうちに大変なことになったと頭をかかえましたとさ。
別な話。ゴルフ場にて。
今まさにコースに出ようとしていた恰幅のいい中年紳士二人組のところに、風采のあがらない男が「いっしょに回らせてくれませんか?」と申し出る。
「いいですよ」とスタートしたアウトの1番、くじ引きでオナーになった風采のあがらない男の第一打は、チョロ。
「いきなりチョロしてすみません。緊張感に欠けてますねぇ。どうですか、このホール一番いいスコアで上がった人に最下位の人が10円払うことにしませんか?」
恰幅のいい二人の紳士が「10円は安すぎでは?」というと、「どうせ私は勝てそうもないですから、安いほうがいいのですが。。では、次の2番ホールは倍の20円にしましょうか。3番ホールはその倍の40円、その次以降も倍倍にするということでいかがですか?」と男。
「それでやりましょう」と合意してスタート。
当初の予想通り風采のあがらない男は負け続け、10番ホールで5120円を支払ったところで、ボソッとひとこと「そろそろ本気を出しますか」。
11番パー3、120ヤード打ち上げのショートホール。恰幅のいい紳士二人はグリーンエッジながら手堅くワン・オン。
対する男はピッチングウェッジを軽く振りぬくとピン横10センチにピタリ。・・・10240円を手にしてニヤリと笑う男。
この後、12番、13番と勝ち続ける男に、ようやく紳士二人は、「このまま18番まで負け続けると大変なことになる」と気づいたのでしたが、あとの祭り。
風采のあがらない男は○×組所属の賭けゴルファーだったのでした。。。
って、もう「機械との競争」はまったく関係なくなってしまいましたね。
(倍々の数字はITと親和性が高いですけど)
ちなみに「機械との競争」は本の厚み(2cm)の割には早く読めます。
面白いから読むスピードが速くなる。というわけではなくて、ページ1枚の紙が厚い(=厚さの割にページ数が少ない)のと、1ページあたりの文字が少ない(476文字)という、コスパの悪い(?)造りになってます。
次回はコスパのいい本をご紹介します(なんのこっちゃ)。
F生