2013.11.07
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やっぱり徹夜でした

さて、今回の「非電源ゲーム探訪」ですが、なんとたった数時間で人類の発展が学べるという素敵なボードゲームをご紹介しますよ!
(ちなみに、さもシリーズもののように続いていく体で始まっていますが、次回以降やるかどうかはわかりません。)
今回ご紹介するゲームは「シドマイヤーズ シヴィライゼーション:ボードゲーム」。

こんなパッケージです。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、PCゲーム「シヴィライゼーション」をボードゲームにしたものです。
(実はもともとシヴィライゼーションはPCゲームの前にボードゲームとして存在し、それとは別のPCゲーム版が大ヒットしたという経緯があり、そういう意味では図らずも先祖返りというか逆輸入のような形ですね)

ゲームとして「それぞれ選んだ指導者(国)となり、未開の地を探索、他国と協調したり戦争したりしながら大国を築き上げていく」のが、プレイヤーの目的となります。
さて、「大国を築く」と言っても随分と薄ぼんやりとしていますが、このゲームでは以下のいずれかの条件を満たすことによって勝利となります。

  • ・技術的勝利
  •   「技術開発」を行い、宇宙へロケットを飛ばせるようにする。
  • ・文化的勝利
  •   「文化の発展」を行い、文化の進展をゴールまで進める。
  • ・経済的勝利
  •   ゲーム中手に入るコインを15枚集める。
  • ・軍事的勝利
  •   他国どれか一つの首都を自身の軍隊により陥落させる!

それぞれの細かい説明を始めるとキリがないので詳細は省きますが、「勝利」となる条件が複数設定されているためにそれぞれのプレイヤーの性格や選んだ指導者毎に方針がまるで異なるのが、このゲーム最大の魅力と言えると思います。

そんな複雑な勝利条件が設定されているということは、勿論このゲームにもいろんなものがいっぱいついてきます。

コマとかカードとかまだ他にもいっぱい!
これらたくさんのアイテムを

最初は未開の地だらけの世界です。

こんな感じで配置して、

だんだん世界の全容がわかってきました。

こんな感じでプレイが進んでいくのです。

このゲームには様々な要素が複雑に絡んでいます。それは技術の発展だったり、都市そのものの発展だったり、もしくは他国との戦争だったり。
そして、それらと同じくらい大事なのが、「外交」、つまりコミュニケーションです。
このゲームにはターン中に「外交」の出来るタイミングがあり、資源である「絹」や「鉄」をそれぞれの国で交換したり、それを資源の代わりに技術の開発に必要な「商業点」の支払いで行ったりすることが出来ます。
それぞれの交換レートは決まっていません。
絹と鉄を1:1で交換するもよし、もしかしたら1:1かつ商業点を3渡さないと交換してくれないかもしれません。
これだけだと、まぁ「外交」というよりは「貿易」といった感じなのですが、このゲームでは交渉のリソースとして
・拘束力のない約束
というものが存在します。
つまり、プレイヤーAがプレイヤーBに対して
「おれさー、このターンプレイヤーCの首都じゃない都市を攻撃しようと思うんだけど、鉄が足りないんだよねー。俺のところの麦と、商業点を3あげるから戦争に使う鉄ちょうだい?」
といった形の交渉が可能なのです。
ここで「拘束力のない」という文言が光り輝くのですが、取引さえ成立して資源をもらえれば必ずしも先ほどの約束を守る必要は「ありません」。
プレイヤーAを攻撃しないどころか、あまつさえプレイヤーBを攻撃してもいいのです。
勿論、その結果プレイヤーBがどのように思い、今後どのような行動を取るかは予想できませんが、本来なら「ゲーム外」に存在するはずの「信頼」とかそういうものがこうやってゲームに落とし込まれているのはとても面白い話だと思います。
そうやって他国との口約束や、実際のアイテムのやりとりにより国の内政を豊かにしていく反面、軍事侵攻を防ぐために自国の防御力を高めたり、そもそも他国といざこざをおこしたり。
一人走っているプレイヤーを止めるための協調や、それを絡めた「攻められたくなかったら、わかるよね?」という恫喝といった、ゲームのルールにあること、ゲームのルールにはない現実社会のモラルに依存しているやりとりといったものが深く組み合わさった、大変奥の深いゲームなのです。
ただ、このゲーム、物凄く端折った説明をしただけでも色々な要素があることからも予想がつく通り、やっぱり一回のプレイが長いです。
4人とかでプレイすると5,6時間平気でかかったりします。
そして、なんというか「5,6時間座ってプレイしている」ということ以上に常に考え続けているためとても疲れます。
そのため、ゲーム終わった後は疲労からか10分くらいボーっとしてしまったり……。
ただ、プレイ後に「あそこでこうすればよかった」「ここではこうすべきだと思う」といった感想を言い合うのもやっぱりこの手のゲームの醍醐味ですね。
それらひと通り各人のプレイについてあーだこーだ言った後、最後にみんなでたくさんのカードとコマとボードを平和的にお片付けするのです。
とまぁ色々書きましたが、実は先日初めてプレイしたので、心理的にも状況を読むという意味でも「他国との戦争」という選択肢を取るのが難しく、ちょっとした小競り合いと互いの軍隊が近づいての緊張状態までくらいしか軍事的いざこざはありませんでした。
その意味ではまだ「国家運営」の入り口に入ったばかりで、今後もより良い国家運営のために良き指導者になれるよう頑張りたいものです。
次は全面戦争を狙ってみたいなぁ!(tel)
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