2016.01.05
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綺麗な薔薇には髑髏があるのさ

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ということで年始の挨拶で行数を稼いだところで、この年末年始は久々に非電源系ゲームをプレイしましたのでそのお話でも。
この年末年始にプレイしたのは
・街コロ(街コロ+、街コロ#を含む)
・珍獣動物園 (Einfach tierisch)
・藪の中
・薔薇と骸骨
といったあたりなのですが、一つ一つ紹介すれば4つも記事が書けるので全てを紹介すると長くなってしまうので、
その中でもシンプルな「薔薇と骸骨」についてのお話を。
このゲームはとてもシンプルなゲームで、簡単に言うと参加者がチキンレースをするゲームとなります。
それぞれのプレイヤーに与えられるのは、
・四角いマット
・丸いカード(花が描かれているものが3枚、髑髏が描かれているものが1枚)
です。
20160105-01
カードはこんな感じ
準備:
・まずは全員四角いマットを裏向きに置きます。(先ほどの写真で言うと上にある黄色の状態です。左下にある黒縁に青い丸が描かれているマットが青のプレイヤーの表向き状態です)
・丸いカードは手札としてそれぞれのプレイヤーが持ちます。
・最初の手番プレイヤーをじゃんけんなどで決めます。
以下例として
プレイヤーは4人(太郎、次郎、三郎、四郎)で、最初の手番が太郎だったとします。
1. カードを配置します
プレイヤーは全員、手持ちのカードから好きなカードを1枚選び、他の誰にもわからないように裏向きでマットの上に置きます。
2. 手番プレイヤー(太郎)は以下のどちらかを選びます
・ 手持ちのカードを1枚裏向きに自分のマットの上に重ねる
・「チャレンジ」を宣言する
なお、手持ちのカードがない場合は「チャレンジ」を選ぶことしか出来ません。
カードを重ねることを選んだ場合、次のプレイヤー(次郎)が同じようにどちらかを選択します。
プレイヤーが「チャレンジ」を選んだ場合、「チャレンジ」の内容として枚数を宣言します。
宣言できる枚数は、「1からその時点で裏向きにマットに置かれているカードの枚数まで」となります。
例えば一番最初の段階では、太郎は1から4までの「チャレンジ」が可能です。
太郎と次郎がカードを重ねることを選んだ場合、三郎は
・自分も手持ちのカードを1枚選んで重ねる
・1から6までの「チャレンジ」を宣言する
のどちらかを選ぶことになります
誰かが「チャレンジ」を選んだ場合、それ以降のプレイヤーは
・より大きな数字で「チャレンジ」を行う
・パスをする(パスをしたプレイヤーはもうチャレンジ出来ません)
のどちらかしか選択できません。
最終的に
・誰かが最大枚数(場にある全てのカードの枚数)での「チャレンジ」を宣言する
・全員がパスをする
のどちらかになった状態で、もっとも大きな数字を宣言したプレイヤーによる「チャレンジ」開始となります。
3.「チャレンジ」を行う
3-1.「チャレンジ」を行うプレイヤーはまず自分がマットに重ねた裏向きのカードを、上から順にチャレンジ枚数に達するまで表向きにします。
3-2.自分が出したカードを全て表向きにしてもチャレンジ枚数に足りない場合は、他のプレイヤーがマットに重ねたカードの中で、まだ表になっていない一番上のカードを1枚選び表にします。これをチャレンジ枚数に達するか、その前にドクロがでるまで繰り返します。
全て「花」なら(チャレンジ枚数まで達すれば)チャレンジ成功、ドクロが出た場合は失敗となります。
例えば
・太郎は2枚カードを出している(A,B)
・次郎も2枚カードを出している(C,D)
・三郎は1枚カードを出している(E)
・三郎も1枚カードを出している(F)
・太郎が「4枚」で「チャレンジ」することになった
という場合だと
まず太郎が出したカードをB,Aの順番で表にします。
B,Aともに「花」だった場合、D,E,Fから1枚選んで表にします。
選んだカードが花だった場合、更に1枚選びます(Dを選んだ場合はC,E,Fから選びます。Eの場合はD,Fから、Fを選んでいた場合はD,Eから1枚です)、ドクロなら失敗です。
4枚目のカードが花ならチャレンジ成功、ドクロなら失敗です。
4.後処理
・マットの上に置かれたカードはまたそれぞれの手札として元に戻します。
・チャレンジに成功した場合、そのプレイヤーのマットを裏返します。(1回成功のしるし)
・チャレンジに失敗した場合、そのプレイヤーの手札のカードを無作為に1枚取り除きます。(最初が4枚ですから、次は3枚になります)
 取り除かれたカードは最終勝者が決まるまで使うことは出来ず、他のプレイヤーは取り除かれたカードを見てはいけません。
 何度もチャレンジに失敗し、手札が0枚になったプレイヤーは敗北となります。
・成功失敗にかかわらず、チャレンジを行ったプレイヤーが次のゲームの手番プレイヤーとなります。
この手順を
・誰かがチャレンジに2回成功する
・一人を除いて全員敗北する
まで繰り返します。
文章にするとやたらと長く混乱してしまいそうですが、実際にやってみると5分で理解できるほど簡単なものです。
そして、このゲームの面白いところは「選択に自分の意思しか存在しない」というところです。
サイコロを振ることはありませんし、出したカードの合計値を競うわけでもありません。
唯一ある偶然性が、「チャレンジ失敗時に無作為に手札を1枚取り除く」部分だけです。
それ以外は
・最初に花を出す?ドクロを出す?
・自分の手番でカードを追加する?チャレンジする?
・そもそも、自分の手番が来るまでに誰かチャレンジをしないだろうか?
・チャレンジをするなら何枚?
・誰のカードを表にする?
といったものが全てそれぞれのプレイヤーの意思で決まるので、駆け引きと読み合い(と煽り合い)だけで決まります。
「チャレンジするプレイヤーはまず自分が置いたカードから表にする」というルールの関係上、自分でドクロを置くとチャレンジしにくくなります。
ですが誰もドクロを置かないと、誰かがチャレンジを成功させてしまいます。
例えば最初に1枚ずつ配置したあと、いきなり太郎が「1枚チャレンジ!」と宣言して、次郎がパスした場合、三郎はどうすればいいでしょうか?
・誰もチャレンジしないと太郎が自分の出したものだけめくってチャレンジが成功してしまう
・流石に4人いれば一人くらいはドクロを置いているだろうから4はないだろう
・「自分が置いたものから表にする」のだから、パスした次郎はドクロを出している?
・だったら2と言って、それが通れば自分のカードと太郎のカードをめくれば成功する?
・ただ、そもそも太郎はそれを見越してドクロを自分で置いたくせに「1枚」って言い出したかも??
という葛藤が三郎のなかで生まれるはずです。
そして、三郎が「2枚!」といった時、四郎は同じように「三郎が自分でドクロをだしたのに、こちらを引っ掛けるために宣言したのかも??」という読み合いが生まれるのです。
仕組みとしては超単純(4枚手札があればいいのでトランプなどでも代用できます)なのに、勝手にプレイヤー同士が場を難しくしてしまうというこのゲーム、とてもおすすめです。
(tel)
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