およそ様々なゲームにおいて、面白さというのはコントロール出来ないところにあるのだと思います。
それは対戦相手の行動であったり、外でやる競技なら天気といったものもそうでしょう。
そういったゲームに関わるもののなかで、コントロール出来ないものの代表格と言えば、やはりダイス、つまりはサイコロなのではないでしょうか。
今回は、そのダイスに焦点を当てたゲーム、「Dice Forge (ダイスフォージ)」のお話です。
このゲームの一つの特徴は、サプライがとてもキレイに格納されること。
ゲームには直接関係ないのですが、なにせ最近のボードゲームは、いろいろな小物が非常に多く、それらを無理なくキレイにしまうことが出来るというのは、地味ながらも非常に評価が高いところです。
このゲームの根幹を成すアイテムである「光のダイス」と「闇のダイス」です。
非常にわかりにくいですが、ちょっとだけ暗いほうが闇のダイスです。
実は、このダイスはこんな感じでバラバラに出来ます。これがこのゲームの一番の特徴につながっていきます。
ここで簡単なルール説明を。
このゲームは2人から4人でプレイします。
先手を決定したら、時計回りに手番を交代しながらプレイしていきます。
手番が1順するとターンが進み、2,4人プレイの時には9ターン、3人プレイのときには10ターン経過するとゲーム終了です。
ゲーム終了時に「勝利点」が一番多いプレイヤーの勝利となります。
それぞれのプレイヤーの開始前の状態です。
それぞれの持つリソース(資源)がひと目でわかるようになっています。
それぞれの手番進行ですが、まず開始時に「全員が」2つのサイコロを振り、それぞれ出た目のリソースを各人が得ます。そのため、3人プレイなら、1ターンの間に3回、4人プレイなら4回サイコロを振ることになります。
2人プレイの場合だけは特別に、それぞれの手番でサイコロを2回振ります。これにより、1順の間に4回サイコロを振ることになり、適正なリソースを得られるようになっています。
リソースは、金、赤、青の3種類あり、手番プレイヤーはこれらを消費して、買い物が可能です。
このゲームの一番の特徴、ダイスフェイスです。
ダイスフェイスは金で購入する事ができ、まずはこのダイスフェイスを購入して理想のダイスを作ることが必要になります。
赤資源や青資源を使って手に入れられるのが、ここにあるカードです。
カードにはそれぞれ勝利点が設定されており、中盤以降は、基本的に如何にカードを購入するかが大事になります。
また、カードによっては、勝利点だけではなく、手に入れたときに相手に妨害をしたり、自分のターン毎に、1回だけサイコロを一つ振って追加のリソースを得られるようになったり、「もう一つのダイスの出目を3倍にする」といった専用のダイスフェイスが手に入ったりします。
ダイス自体に書いてある内容を変更できるため、ダイスの期待値については常に変動していきます。
ダイスを成長させるには、金が出ることが重要ですが、逆に言うと金はダイスフェイスしか購入することができず、後半になると持て余しがちになります。
最初からカードを購入するために赤や青の資源が手に入るダイスを構築しようとしても、今度はダイス自体の成長が進まなくなります。
また、ダイスフェイスの中には、勝利点を直接得られるものがあります。前半ははっきり言って邪魔なのですが、後半、リソースが余りがちになると、ダイスから得られる勝利点が結果を左右したりもします。
金が欲しいのはいつまでなのか?
赤と青の資源はどのくらい欲しいのか?
ダイスからの勝利点は必要なのか?
適切なタイミングでのダイスの組み換えというのが、このゲームの一番の戦略部分なのです。
ですが、そうやって理想に近いダイスを作っても、ダイスはダイス。
欲しいときに欲しい目が出てくれなかったり、逆にこれさえ出てくれれば!がピンポイントで出てきたり。
そういうコントロール出来ない面白さがこのゲームの醍醐味だと思います。
実際にゲームを行うと、こんな感じです。
何が起きているかはわからないとは思いますが、色々あった結果、ダイスから出た勝利点分で勝ちを得ることができました。
ボードゲームにおいて、ダイスは非常によく使われるアイテムです。
そんなダイスに焦点をあてたこのゲームは、実際にプレイするとルールはシンプルながら、全体の流れや他のプレイヤーの動きを踏まえた臨機応変な動きが求められ、ライトなプレイ感と戦略性の両立したオススメのゲームです!(tel)