このマン2021が発表されて、タツキのルックバックがすごかったという話を見ました。確かにあれは見た瞬間に語りたくなるような凄さがあったのでまあ納得なんですが、個人的に推したいのとは違うので、今年もおすすめのやつを。
ひとまず10作並べてみました。語ると長くなるのですが、今年の特別は「メダリスト」ですね。
メダリストはフィギュアスケートを題材にした連載作品で現在4巻まで単行本が出てます。ざっくりいうと神回しかないので感情が口から溢れてしまいなかなかうまく紹介できないんですが、どこがすごいかというと、
・物語の構成
全体を通して主人公のいのりさんとそのコーチにスポットを当てて、その周辺を少しずつ照らしつつという王道のスポーツ物なんですが、どうしても魅力的なキャラクターが多く出てきて本筋がなかなか進まない作品が多い中、徹底して削ぎ落として物語がすすんでいくので、次の展開まで待たされずにずっと感動が続いて飽きさせない作りになってます。見てると絶対このサイドストーリーだけで話作れるのにもったいないと思うぐらいバサッとやってます。
・作画の良さ
芸術的な動きが魅力のフィギュアスケートをコミックで作画するにあたって、非常に丁寧に、大胆に描かれていて、ジャンプの際のエッジの使い分けや、着地後の動き、まるで音楽が流れてプログラムを演じているように生き生きと描かれています。絵柄もデフォルメの効いた部分と、スポットを当てて強く描く部分の強弱がしっかり描き分けされていてとても読みやすい。
最近マガジンポケットでの掲載も始まったので、導入部分から途中までは無料で読むことができます。
もういっぽん!はアニメ化企画が進行中のチャンピオン連載柔道マンガで、こちらも構成がなかなかすごい。毎回読み切りのような熱量で作品を練り上げていくのでテンション上がります。主人公たちが無敵とかじゃなくあっさり負けるのが部活動マンガで感情移入しやすいです。結構巻数重ねているのですが、テンションの高さが変わらず続いているのがすごい。
「転生したら第七王子だったので気ままに魔術を極めます」はweb連載の良さを凝縮したようなコミカライズ作品で、カラーの使い方が非常に上手い。なろう系の強さの表現、緩急の表現をうまくカラーで行っているので、web連載でぜひ読んでほしい。単行本だとカラーが無くなっちゃうのが残念。
「骨ドラゴンのマナ娘」は以前も紹介したんですが、ドラゴンの書き込みとかイヴの可愛さとか見てるだけでホッとする作品です。捨て子設定なので何か大きな背景がありそうなんですが健気とも違うちょっと野生児の可愛い魔女さんの活躍を見守りたい所存。いままではwebのみでの連載でしたがどうやら好評のようで月刊コミックガーデンへの移籍が決まったようです。めでたい。
「死神ドットコム」きららキャラットでの酒クズと悪魔の同棲マンガというジャンルがよくわからない名作。とにかく主人公がクズなのでとても読んでて救われますね。
「ミムムとシララ〜ドラゴンのちんちんを見に行こう〜」もマグコミから。タイトルはあれですがそこまで性的ななにかがあるわけではないです。ちんちんを見に行こう。
「ごくちゅう!」けいおん!みたいなノリで刑務所ネタを披露するな!
「ド嬢」今まで紹介してなかった気がするのでここで。施川ユウキはそこまで絵で見せるタイプではないのですが、ド嬢に関しては施川ユウキの絵でないとここまで良さは引き出せなかっただろうなあという名作。すでにアニメ化もされているんですが原作初期の本の薀蓄8割からド嬢と神林のイチャイチャが8割に変わってきてて、といって別に本の話が蔑ろにされているわけでもなく、みてるこっちは「鬱ごはん」なんですが。
「おなかがへったらきみをたべよう」たばようという才能をどう活かすかがこれからの秋田書店の編集の見せ所。これとくろすぶりーどを早く単行本にしてください。
「今日から始める幼なじみ」最近多い(すでにひとつのジャンルになりつつある)高木さん系列の作品なんですが、読んでてホッとするので。
「僕の心のヤバイやつ」が無敵なのでこれは殿堂入りです。
samai