私のデスクの右隣には、一匹のうさぎがいつもいます。彼女の名前はエクレアさんです。
ホーランドロップという垂れ耳の品種で、ブロークントートという犬のような毛色をしています。ホーランドロップはおとなしい性格で、頭頂部の毛がふわふわとしているのが特徴です。ここをいつでも触れるのが飼い主の特権です。
遡ること7年前、まだ札幌に住んでいた頃に「うさぎカフェ」に足繁く通っていた私は、店に来たばかりのエクレアさんと目が合ってしまいました。運命の出会いでした。
以来7年間、出張以外はずっと一緒です。うさぎの7歳は人間だと大竹しのぶくらいです。うさぎは赤ちゃんのときもかわいいですが、歳をとるほどかわいさが増します。ずっとかわいいなんて聞いていません。逆詐欺です。エクレアさんはいつもほんのりと暖かく、肉を食べないので日なたの牧草の匂いがします。午後の休憩時間はおやつをあげて、スキンシップをします。アニマルセラピーとはよく言ったもので、仕事の疲れが吹き飛びます。昼寝をしているエクレアさんにそっと近寄り、胸の毛から出ている、丸くて白い手を触るとゆっくりと体の下にしまいます。その愛らしさといったら!
はあはあ。早口になってしまいました。落ち着かなくては。
うさぎにも性格があり、どちらかというとクールなエクレアさんですが、たまに飼い主にうれしそうに駆け寄ってくれることがあります。プルプルの耳をふるわせ、キラキラと目を輝かせながら私に迫ってくるのです!!
秘蔵の動画から1フレーム抜き出しましたのでご覧ください。早すぎてこの7年間で数回しかカメラに収められていませんが、その尊き姿は私の心に焼き付いています。
飼いやすいペットと言われるうさぎですが、こまめな餌やりと温度調節が必要な動物でもあります。「うさぎは寂しいと死ぬ」と言われますが、寂しいからではなく、放置して世話を怠ると寿命が縮まってしまうのです。
私は年に数回札幌へ出張しています。出張時はたとえ一泊でも家に置いていくことはできません。結婚してからは夫が世話を代わってくれています。放し飼いにすると家のすべてのカーテンと絨毯と電気コードをかじり尽くすので、対策は必須です。私は自室の半分にフェンスを張って彼女の自由な空間としています。
幸い、エクレアさんは高齢になってもまだまだ健康です。うさぎの寿命は10〜12年だそうです。いつの日かエクレアさんも虹の橋を渡ります。それまでは日々を大切に過ごしていきたいと思います。
うぇびん