先日、北海道近代美術館で開催されていた歌川国芳展に行ってきました。
歌川国芳は、北斎や広重ほど名が知られてないものの、その作品は大体誰でも知っているというポジションの浮世絵師で、見ればああこれかという作品が多々あります。
展示ではテーマごとに作品が並ぶのですが、まず通俗水滸伝豪傑百八人之一個という水滸伝の豪傑を描いたシリーズが展示されているんですが、この説明の中で「当時の江戸では、自分の好きな豪傑絵の背中に描かれたものと同じ入れ墨を入れるのが流行した」とあり、これ発想が現代でいう推しのコスプレで、時代が変わっても日本人変わらねえなあと思いました。
また浮世絵の稼ぎ頭は人気歌舞伎役者の役者絵で、これは写真のない時代におけるブロマイドなのですが、これが天保の改革で奢侈品として禁止されます。
すると国芳、じゃあ役者を全部猫で描いてやるわ!ヘッタクソな絵で描いてやるわ!みたいなことをするんですね。まるで漫画家みたいです。
後期の名所絵を見ると遠近法を取り入れており、勉強熱心な人だったんだなあというのが伝わります。
あと猫好きだったらしく、なにかというと隅っこに猫が描いてあって、これがいい味を出しています。
中にはひたすら猫を書き尽くしたものがあり、これは物販のポストカードでも猫が大人気でした。
楽しく観覧ができまして、行った甲斐があったというものでした。
社員R