2025.12.12
うぇびん

「フレデリック」という絵本と生産性の話


絵本「フレデリック」の話をします。

フレデリック – レオ・レオニズ フレンズ 公式サイト

「フレデリック」は絵本作家、レオ・レオニの作品のひとつです。レオ・レオニが描くネズミはひたすらにかわいいです。

ネズミを主人公にした別作品「アレクサンダとぜんまいねずみ」は国語の教科書にも載っているので、絵を見たことがある人も多いはずです。日本語版は美しい明朝体と、翻訳者の詩人・谷川俊太郎のやさしい言葉を楽しむことができます。

さて、私がこの絵本を好きな理由が、この絵本の評価が賛否両論であることです。特に日本では親世代・子世代とも「苦手」と感じる人が多いです。

フレデリックはネズミ界の◯◯である

絵本は、ネズミたちが冬に備えて食料を集めているところからはじまります。その中、フレデリックだけがぼんやりと空や景色を眺めていません。周りが声をかけても彼は働きません。

やがて冬が来て洞穴にこもり、食料が少なくなってくるとネズミたちは荒んできます。それを救うのが何もしていなかったフレデリックです。彼は春の暖かさや夏の日差しをネズミたちの心に再現してみせます(どうやっているのか不明ですが)。

と、あらすじは以上です。

フレデリックは働いていません。

「それでいいのか?」「ずるくない?」というのが、苦手と感じる人達の感想です。正直、私もちょっとは食料探しを手伝えや、と思います。

フレデリックの姿から、私はある人たちを連想します。YouTuberなどの非生産系エンターテイナーです。レオ・レオニは欧州の人ですから吟遊詩人をイメージしたことでしょう。

いつの時代もいつの世界も、生産的な活動をする多数の中に、非生産的だけど必要な活動をする人たちがいます。フレデリックはネズミ界でははみ出し者の「怠け者」ですが、YouTuberとして仲間たちを和ませ、癒やしているのです。

否定も多様性

令和に入ってから、フレデリックのような存在を容認する流れになりました。そうなると、逆に否定的な感想を持つ人に「お前は余裕がない」と言い出す人も現れます。それも違うと思います。なにしろフレデリックが働いていないことは事実なのですから。

結局は、対話なのだろうと思います。フレデリックを娯楽担当にするなら夏場はネタ集めに専念してもらえばいいし、夏の夜にもなにかやってもらえばよいでしょう。ホタルでも呼んでもらいましょうか。

このように、私は「フレデリックと他のネズミたちの2年目以降のソリューション」についていろいろ考えてしまいます。「所詮は絵本。考えすぎ。」と絵本好きの皆さんに言われそうです。所詮は絵本だと考えるのも、また多様性なのだろうと思います。

以上、とても絵本の感想とは思えない記事を書いてしまいましたが、私はこの本を愛しています。私はフレデリックのように生きられません。故にフレデリックに憧れています。

居間の壁にはフレデリックのポスターを飾っていますし、フレデリックのマグカップも愛用しています。働きすぎて疲れたときは、フレデリックがのんびりした笑顔で癒やしてくれます。

うぇびん

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