2026.01.05
アイルトン・セジ

カートレースが、仕事と私生活の両方に活きた件について

レーシングカートを始めた当初、正直に言えば「楽しい趣味が一つ増えた」くらいの感覚でした。
ところが続けるうちに、気づけばカートで得た感覚や思考が、仕事や私生活のあらゆる場面に自然と活きています。

これは「スポーツは人生に役立つ」といった抽象論ではありません。
もっと生々しく、即効性のある話です。


限られた条件下で“最適解”を出す癖がついた

カートレースは、とにかく制約だらけです。

・エンジンは基本的に同一
・タイヤは限られた種類
・セットアップの自由度は高くない
・走行時間は短い

その中で
「今ある条件で、どうすれば0.1秒でも速くなるか」
を考え続けます。

この感覚は、そのまま仕事でした。

仕事でもリソースは常に足りません。
人も時間も予算も、理想通り揃うことはほぼありません。

以前は「条件が悪い」ことを無意識に言い訳にしていましたが、
カートを始めてからは、

「この条件で結果を出している人は、何をしているんだろう?」

と考える癖がつきました。

条件を嘆くより、使い切る。
この思考の切り替えは、経営や意思決定のスピードを確実に上げてくれています。


感情と事実を切り分けられるようになった

レースでは、ミスをすると即タイムに出ます。
言い訳は一切通用しません。

「路面が悪かった」
「前が詰まっていた」
「今日は調子が悪い」

そう思った瞬間に、ラップタイムという事実が突きつけられます。

すると自然と、こう考えるようになります。

・本当に不可抗力だったのか
・それでも改善できる余地はなかったか
・同じ状況で速い人は何をしているか

この「感情と事実を切り分ける力」は、仕事でも私生活でも強烈に効きました。

仕事でトラブルが起きたときも、
感情的に反応するのではなく、

・何が事実で
・何が自分の感情で
・次に打てる手は何か

を冷静に整理できるようになりました。

結果として、無駄に消耗する場面が明らかに減っています。


「準備が9割」という感覚が身体に染みついた

レース当日の走りは、
実はその日の結果のほんの一部にすぎません。

・事前の情報収集
・セットアップの仮説
・走行イメージ
・コンディション管理

これらが揃って初めて、当日の走りが成立します。

カートをやる前は、
「本番で頑張る」意識が強くありました。

今は違います。

本番は、ほぼ確認作業

この感覚が仕事にもそのまま移植されました。

重要な商談や会議、意思決定も、
その場の瞬発力に頼るのではなく、
事前準備で8〜9割を決めに行く。

その結果、
緊張する場面が減り、
想定外が起きても崩れにくくなりました。


自分の“弱さ”と向き合えるようになった

カートは容赦なく、自分の弱点を暴きます。

・集中が切れるタイミング
・雑になる操作
・無理をしたときの失速

誤魔化しても、結果は変わりません。

この経験を繰り返すうちに、
「できない自分」を否定しなくなりました。

できないなら、対策を考える。
向いていないなら、やり方を変える。

この姿勢は、
仕事でも人間関係でも、自分をかなり楽にしてくれています。


人生を“長期戦”で見られるようになった

レースは一発勝負に見えて、
実は積み重ねの世界です。

今日速くなるより、
半年後、一年後にどこまで行けるか。

この視点を持てるようになってから、
短期的な結果に一喜一憂しなくなりました。

仕事でも私生活でも、

・今は仕込みの時期
・今は耐えるフェーズ
・今は攻めるタイミング

と、冷静に捉えられるようになります。

これは精神的な安定にも直結しています。


カートレースは、最高の自己投資だった

カートレースは、
単なるスピード競争ではありません。

制約の中で考え、
感情を制御し、
準備を積み重ね、
自分と向き合い続ける行為です。

結果としてそれは、
仕事と私生活の「思考OS」そのものを書き換えてくれました。

もし今、
仕事や人生に行き詰まりを感じているなら、
一度「本気の趣味」を持ってみるのも悪くないと思います。

少なくとも僕にとって、
レーシングカートは最高の自己投資でした。

アイルトン・セジ

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