北海道でIT企業を経営する中で、ITの力で、この地域とビジネスをどうアップデートできるだろうかと、答えのない悩みにあたることがあります。
そのヒントは、意外なところにありました。皆さんは、北海道を中心に活動する「ハンバーガーボーイズ」というアーティストをご存知でしょうか?
2012年に結成された彼らは、単なる「ご当地バンド」ではありません。楽曲制作からMV撮影、さらにはライブ配信の機材設定まで、すべてを自分たちで完結させてしまいます。 分業化が進む現代の音楽業界において、この「徹底した垂直統合」は非常に稀有な存在です。
これこそが、今の地方ビジネスに求められている姿勢ではないでしょうか。 地方の現場に足を運ぶと、夜は居酒屋で働く方が、翌朝には道の駅でソフトクリームを売っている光景に出会います。あるいは、小さな町の球団が、移住促進やホテルの運営まで「まちづくり」を丸ごと引き受けている。
中核都市では「効率」を求めて業種を絞るのが定石ですが、人口密度の低い地方では、その「効率の物差し」だけでは立ち行かなくなります。画一的な効率化だけを追い求めれば、地域の個性は消え、人が豊かに暮らすという本来の目的から外れてしまうのです。
彼らの戦略もまた、経営者として学ぶべき点が多い。 大手レコード会社が全国、ひいては世界という巨大マーケットを狙うのに対し、彼らはあえて「北海道の特定の地域や企業」をテーマに曲を書きます。
小さなマーケットを深く掘り下げ、その魅力を光らせる。その活動が地域への貢献となり、結果としてアーティスト自身も潤う。 非効率に見えるかもしれませんが、これこそが「大好きな北海道を、自分たちのスキルでよくする」という、持続可能なビジネスの形です。
北海道は人口減少や交通機関、地域格差、過酷な気象条件というネガティブな側面を持つ一方で、世界に誇る食や観光資源という圧倒的なポテンシャルを秘めています。 ハンバーガーボーイズが音楽でその二つを繋いでいるように、私も「デジタル」の力で、北海道のポテンシャルを最大化したいと考えています。
目指すのは、単なるシステムの提供ではありません。 彼らのように、現場の温度感を大切にし、地域の課題に深く入り込み、関わる人すべてを豊かにする。そんな「血の通ったビジネス」を、この北海道から皆さんと共に創っていきたいと先日のソロライブからの学びでした!
まえだ

