
最近、レースでは少し苦しい展開が続いています。
タイム自体は悪くありません。上位を狙えるペースがあり、走りにも手応えがあります。
それでも、結果になかなか結びつかない。
接触に巻き込まれたり、展開が噛み合わなかったり、マシントラブルが起きたりと、毎回何かしらのアクシデントが起きています。
タイムが出ているからこそ、余計にもどかしく感じます。
純粋な速さが足りないのであれば、やるべきことは比較的明確です。もっと練習し、セッティングを改善し、自分の走りを磨けばいい。
しかし、速さはあるのに結果が出ない場合は、それ以外の部分にも目を向けなければなりません。
接触を避けるための位置取りは適切だったか。
トラブルの兆候を見落としていなかったか。
レース全体の展開を予測できていたか。
焦りによって判断を誤っていなかったか。
もちろん、自分ではコントロールできない出来事もあります。
ただ、すべてを「運が悪かった」で終わらせてしまえば、次のレースでも同じことが起きるかもしれません。
起きたことそのものは変えられなくても、起きたことから何を学ぶかは自分で選べます。
これは、経営にも通じる考え方だと思っています。
会社の状況が悪いという話ではありません。むしろ、事業を前に進めていくうえで、日々さまざまな判断をしているからこそ、レースとの共通点を感じます。
経営でも、自分たちがどれだけ準備をしていても、想定外のことは必ず起きます。
市場環境が変わることもあれば、顧客の事情が変わることもあります。順調に進んでいたプロジェクトに、突然問題が発生することもあります。
重要なのは、問題を一度も起こさないことではありません。
問題が起きたときに、誰かや環境のせいにして終わるのか。それとも、原因を整理し、自分たちが改善できる部分を見つけ、次に生かすのか。
その違いが、長期的には大きな差になると思います。
レースでも経営でも、実力があれば常に結果が出るとは限りません。
一方で、目の前の問題に向き合い続けていれば、実力が結果につながる確率は確実に高くなります。
タイムが出ているということは、進んでいる方向が大きく間違っているわけではありません。
今必要なのは、焦ってすべてを変えることではなく、結果を阻んでいる要因を一つずつ取り除くことです。
アクシデントを完全になくすことはできなくても、アクシデントに強くなることはできます。
事前に準備する。
兆候を見逃さない。
起きたときに冷静に対処する。
終わった後に振り返り、次の改善につなげる。
こうした積み重ねによって、単に速いだけではなく、安定して結果を残せるようになるはずです。
うまくいかない時期は、自分の現在地を見直す機会でもあります。
ここできちんと向き合い、必要な対処を続けていけば、未来は必ず明るくなる。
レースでも経営でも、順調なときの勢いだけではなく、想定外のことが起きたときの向き合い方を大切にしていきたいと思います。
アイルトン・セジ