みなさんが今この文章を読んでいらっしゃるとき、いったい「どうやって」ご覧になっているのでしょう?
検索エンジンの結果から?Webサイトのメニューから?それとも直接アドレス欄にURLを打ち込んで?(それはすごい!)
ともかく、たぶん皆さんがこの文章を読んでいらっしゃるとき、それはきっと「Webブラウザー」を使ってご覧になっていることと思います。え?「wgetしたHTMLファイルを直接viで読んでるよ」って?いえいえ、趣味嗜好ですもの。お止めしませんよ。
さて、今も少しだけ出てきましたが、この文章は「HTML」というもので書かれたものです。
HTMLというのは[HyperText Markup Language]の略称なのですが、ではいったい[HyperText Markup Language]とはどういう意味なのでしょう?
最後の Language は、まぁそのままですね。それでは HyperText とは何ぞや?となると、これは「リンクによって繋がることのできる文章」のことを指すそうです。なるほど、リンク(正しくはハイパーリンクといいます)によって「ファイルの場所を越えて」繋がっているわけですから HyperText というわけです。
この HyperText という仕組みによって、北海道のデータセンターにあるこの文章が東京でもニューヨークでもロンドンでも見れるわけですね。まさにハイパー!ハイパー万歳!ビバハイパー!といった感じですね。何より強そうです、ハイパー!
……失礼、取り乱しました。話を戻しましょう。
それでは、残った Markup とはいったい何なのでしょう?
Markupとは「印をつける」ということを指すとのこと。つまりここは大事なことだから注目させたいとか、これは普段と意味が違うから気をつけてもらおうとかカラフルにしたいなんてときに、「文章に印をつけて」意味や構造などを表現できるようにする行為を指すのだそうです。
つまり、「HTML文章」とは「構造や繋がりを印付けできる言語で書かれた文章」ということになります。そして、その「印付けされた構造や繋がりを表現するもの」が「Webブラウザー」ということになります。
しかし、月の形が国や地域によってウサギに見えたり、蟹に見えたり、美人の横顔に見えるように。虹の色の数が7色だったり5色だったりはたまた2色だと捕らえるような場所があるように、印付けの解釈には「Webブラウザーの個性」と呼べるような違いがあります。
もちろん基本的なこと、例えば「赤くしろ!」といえば赤くしてくれますが、細かいところ、文章の余白や表の取り扱いなどでそれぞれ微妙に解釈の仕方が違うことがあります。
その理由は文化的なものだったり、政治的なものだったり、経済的なものだったりするのでしょうが、結果として「このブラウザーではちゃんと見えるのに、ほかのブラウザーだと表示が崩れる」なんてことも起こり、私は怒られるわけです。
ただ、「機械みたいな人だ」なんて表現があるように、機械やコンピューターというものには「無個性で冷たい」ようなイメージがありますが、それでもやはりそれを作ったのは他ならない人間なのですから、実は「個性的で温かい」ところもある、というのは人間味にあふれていて素敵なことなのかもしれませんね。
そう考えると、「ブラウザーが変わると表示が崩れる」なんてことも微笑ましく見えてきたり……はしませんね、ごめんなさい。きちんといろんなブラウザーでちゃんと見えるものを作りますので平にご容赦をお願いします。(tel)