最近、結婚詐欺疑惑のニュースが話題になったり、結婚詐欺犯が主人公の映画が公開されたりしていますが、
結婚詐欺が流行っているのでしょうか?(そんなわけはないですね)
愛が金で買えるわけのないことは、誰でも知っています。
なのに騙されてしまうのです。
それはなぜなのでしょう?
という問いのヒントになりそうな本を読みました。
「インセンティブ」(タイラー・コーエン著 日経BP社)です。
この本は、経済学で扱っているのはお金ではなくて、インセンティブだよってことをいろんな実例を挙げながら説明してくれます。(題名のわりに内容の軽い読み物となってます)
簡単に内容を紹介すると(といっても雑な読み方しかしてないので、話半分で聞いてください)、
或る事象に対して、我々の「内なるエコノミスト」の判断基準はお金の損得ではなく、インセンティブのあるなしである。(とりあえず、簡単に「インセンティブ」を説明すると、「いくらお金を積まれたって、こんな手抜き仕事はできねぇ」という職人気質や、「いくら時間がかかっても、このコードを最適化して、自分が満足できるモノにしたい」みたいな感じです・・・違うか?!)
そのインセンティブ発動のキーワードは「自己愛(ミー・ファクター)」「シグナリング」「自己欺瞞」等である。
例1、人が美術館に行くのは、名画が好きという要素よりも「名画に親しんでいる自分」を好ましく思い、他者へアピールするためである。
例2、いい洋服を着たり、誰かに花束をプレゼントしたり、不良ぶってみたりなどの行動はある種のシグナルである。それは他者に自分のイメージを伝えるためのものである。
例3、人は自分は「平均よりいい人間」だと思い込んでいる。あるいは自分の選んだパートナーはほかの誰よりも素晴らしいと思っている。
などなど、具体的で豊富な事例が数多く紹介されています。
インセンティブとはなにかを知ることにより、自分の「内なるエコノミスト」の判断をコントロールし、ひいては他人と世界をいかに動かしていけるかということが記述されている本なのです。(こんな適当な説明じゃなんだかわからないですね)
そこで結婚詐欺です。
人は誰しも人から好かれたいと思っています。また、たいてい自分は平均以上の人物だと思っています。そしてそのシグナルを無意識のうちに外に送っています。
するとそのシグナルを巧みにキャッチして接近してくる異性がいるのです。
たいていの場合はその異性は、普通の人でいい友達になれるはずです。うまくいけば恋愛関係に発展するかもしれません。
ところが、その異性に最初から悪意があれば・・・。
というわけで、人は誰でも結婚詐欺に遭うのです。
遭っていない人はたまたま近くに結婚詐欺犯がいないだけです(あるいは結婚詐欺をするほど魅力がない?!?!)。
いずれにしてもインセンティブの効用については考えてみる価値はありそうです。仕事でも私生活でも役に立ちそうです(ほんと?)。
話は変わりますが、先日、「串鳥 札幌駅前店」がオープンしました。
(※「串鳥」は札幌本店の焼き鳥チェーンで、札幌市内と仙台に店舗展開をしています。安くて美味しい焼き鳥チェーンです)
オープン初日と2日目はメニューの全品が破格の100円。焼き鳥だけじゃなく、生ビールや日本酒までもすべて100円です。
これは行かないわけにはいきません。
開店と同時に行けば、なんとか自分は入れるような気がします。ほかの人は、たぶんこの情報は知らないはずです。
と思って行ったところ、開店前からお店の前は長蛇の列。。。
私の「内なるエコノミスト」の判断はまだまだ甘いのでした。。。
F生