2011.02.10
旭ポンズ

公共物について

普段街中を歩いていても、一般の人はほぼ気にしていませんが、ある方たちにはすごく大事な物があります。
そのなかの一つに視覚障害者誘導ブロックがあります。
名前だけ聞いても、一瞬ぱっと浮かばない方がいますが、ようは街中や電車のホームにある黄色の突起物のあるブロックです。

ちなみに視覚障害者誘導用ブロックの定義は以下になります。

https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/kotsuanzen/shi-yudoblock.html の設計指針より引用

視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者が通常の歩行状態において、
主に足の裏の触感覚でその存在及び大まかな形状を確認できるような突起を表面につけたブロックであり、
道路及び沿道に関してある程度の情報を持って道路を歩行中の視覚障害者に、
より正確な歩行位置と歩行方向を案内するための施設である。

———引用終わり———–

とありますが、実際はどうでしょう。
現状は本当に最低限定義にそったものしか無いように感じます。
よく見る視覚障害者誘導用ブロックの配置は以下の写真ようなものが多いのではないでしょうか。

これは本当に定義にある
“より正確な歩行位置と歩行方向を案内するための施設”
でしょうか?と疑問がわきます。
作った方は定義に従って作った言うと思いますが、使う側から見ると、使えるものとは言いがたいと思います。
まず、普通に人が曲がるときあんなに急に直角には曲がりません。特に視覚障害者の方はブロックが曲がっていると言う事自体認識するのはまさに曲がる直前なので、扱いにくいことが容易に想像できます。

何故そのような作りにしているのかと想像すると最初に思いつくのは低コストだからでしょう。
あの角々したドット的に配置したほうが周りのブロックとも合わせやすく、周りのブロックを特に加工する必要がないから、コストも安くすむのでしょう。

でも使用者のこと考えれば、もう少し人の動線を考慮した作りにすればいいのにというのが率直な感想です。
希望とすれば、コストは多少掛かるかもしれませんが、直角に曲がらせるのではなく、カーブを描くような配置を検討するだけでもかなり使い勝手は上がると思います。

で、ここまでは視覚障害者誘導用ブロック使用する側の視点での見解です。

でも、次に視点を変えてみると、この視覚障害者ブロックが障害になる方がいることも想像できます。
それは歩行になんらかの障害を抱えている方です。一般の人はそんな対したことない盛り上がりですが、高齢の方や歩行に障害を抱えている方にとっては、足を引っ掛けるきっかけになりかねません。

これらを鑑みて、まず簡単な方法として盛り上がりをもう少し低くするのは?
また、本来の視覚障害者誘導用ブロックの目的は定義にもある
“正確な歩行位置と歩行方向を案内”
が出来ればいいのですから、足の裏で感じられる程度の盛り上がりがあればいいのですから。
また定義にさえ合致していれば、盛りあがっている必要もないと思います。
これはあくまで私見ですので、現存のものを否定するものではありません。(でも改善の余地はあるかと。。はぃ)

いきなり硬い感じで書きましたが、これらは頭のエクササイズの一環で行っています。
これを行うきっかけはバリューエンジニアリング(工業製品や土木事業や役務(サービス)などの価値(=製造・提供コストあたりの 機能・性能・満足度など)を最大にしようという体系的手法)関連の本を読み、感銘し少しでも体得できればと思いやっています。

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