2011.04.21
社員R

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団のこと

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団は4/29全国公開予定の映画です。監督はエドガー・ライト。

初監督作品「ショーン・オブ・ザ・デッド」ではロメロに愛弟子認定を受け、続く「ホット・ファズ」は各所で絶賛、日本での劇場公開は当初スルーされたものの、有志による署名活動が実り公開にこぎつけ、水野晴郎が最後に見た映画になりました。そんな知る人ぞ知る系映画監督なのですが、タランティーノとロドリゲスによる70年代エクスプロイテーション映画再現企画「グラインドハウス」にウソ予告編監督として参加した実績の示すとおり、正々堂々ボンクラ映画監督であります。

https://www.youtube.com/watch?v=6803Gu8tpuw

そのエドガー・ライトがユニバーサル・スタジオと契約し製作した三作目が一体どんな映画かというと、一言で言って「少林サッカー」です。

マンガの表現を実写に持ち込んだのが少林サッカーならば、スコット・ピルグリムはゲームの表現を実写に持ち込んだ映画と言えます。

じゃ具体的に、どこがゲームみたいなのかというと、分かりやすいところで敵を倒すとコインになるんですね。

また主人公が敵と対決する際には、必ず格闘ゲームばりにSCOT VS 〇〇との字幕が画面中央に流れ、攻撃が連続がヒットすると12 COMBO!!という文字が画面に踊ったりします。

ストーリーは、主人公が一目惚れしたかわいい女の子と付き合うために、その元カレ7人を倒さなければならない、というものですが、なぜ戦わなければならないかの説明は一切ありません。

途中、目から煙を出しながら超能力を操る敵が現れるのですが、

「なぜ超能力が使えるんだよ!」

「彼はね、菜食主義者なの」

以上説明終了。万事こんな調子なのですね。

また冒頭のユニバーサルのロゴがファミコンで描画したようなドット絵で、その時に流れる音楽もファミコンのピコピコ音だったりします。

https://www.youtube.com/watch?v=-vv2VPSyuvE

個人的には最後の敵とのバトルで、剣を使って戦うのですが、その剣を振ったときの残像がなんというかドットが粗めで、その色使いとグラデーションのかかり具合がスーパーファミコンのグラフィックまんまだったのがツボでした。

そして最後の敵を倒した後に現れる、暗黒面の自分との対決がものすごく・・・ ああ、これはネタバレになるので言えません。

さて、公開前の作品ですが私はゆうばりファンタスティック映画祭でこの映画を見ました。客の入りは今ひとつでしたが、上演前に司会進行役が「この中でキック・アスを見た人手をあげて」と言ったら約半分が手をあげるとか、そういう客層でありました。

というわけで、そんな感じの人にはおすすめの映画です。

(社員R)

https://www.youtube.com/watch?v=CYdt5u4HZ70

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