2013.09.24
K.U.

沈黙のTRPG

少し前の記事で非電源系ゲームの話がいくつかあったので、その流れに乗って
以前見て面白かったTRPGのリプレイについて少しお話しようと思います。

TRPGはTable-talk Role Playing Gameという和製英語の略です。
RPG(ロールプレイングゲーム)についてはご存知の方も多いと思いますが
一定のルールの中で、プレイヤーが与えられた役割を演じて楽しむ遊びのことです。
プレイヤーが集まってテーブルを囲みながらみんなで顔を合わせて遊ぶRPGなので
頭にテーブルトークという言葉がついています。
元々はTRPGの方が先に登場していますが、日本でRPGといったら
コンピュータにシナリオ進行や色々な判定処理等を任せるコンピュータRPGのことを指すため
日本ではTRPGという名称が多用されているようです。

コンピュータRPGと比べて自由度が高く創意工夫の余地があるTRPGですが
一人では遊べません。
2~6人程度の参加者がいなければ遊べませんし、使うシステムの
ルールブックも入手してルールを覚えなければなりません。
キャラクターのデータを記載するキャラクターシートやサイコロ、筆記具等
プレイに必要な道具も人数分揃える必要があります。
つまり遊びたいと思っても中々気軽にできるものではないのです。

そういう人が結構多いからか、日本では「リプレイ」という
「実際に誰かがTRPGをプレイした記録」を文章化したものがあり
TRPGを遊べるわけではないものの、ゲームの雰囲気が手軽に楽しめます。

書籍として販売されているものもありますが、インターネット上にも
自作のTRPGシステムやシナリオのリプレイが公開されています。
自分もいくつかネットで探してみたことがあるのですが
その中でも特に異彩を放っていたTRPGリプレイが
こちらのサイトの「セガールTRPG」でした。

ルールテキストの「はじめに」には下記のように書かれています。

『本作が目指す最終目的は、TRPGというあらゆるキャラクターや世界観を追体験できる遊戯を通じ、「いかなる世界観の作品においてもセガールは無敵である」という、セガールファンすべてが待ち望む最終回答を得ることである。』

この「セガールTRPG」は一般的な
「プレイヤーたちが魔物を倒したりダンジョンを冒険して財宝を見つける」的なものではなく
プレイヤーとGM(ゲームマスター、シナリオ進行等を行うゲームの司会役)が一致団結して
「ファンタジーやSFの世界に突如としてスティーブン・セガールが登場して大活躍するストーリー」を
演出するゲームなのです。

このTRPGは「追跡パート」「誘拐パート」「決戦パート」の
3つのパートで構成されています。

まずは追跡パート。
各プレイヤーは己のPC(プレイヤーキャラクター、プレイヤーのゲーム世界内での分身)を
セガールっぽくロールプレイして「セガールっぽさ」の指標となるセガールポイントを獲得していきます。
(キッチンで敵を倒したり、「ごんぶと」うどんを啜ったりするとセガールポイントが得られます)

次に誘拐パート。
このパートはその名の通り誰かが誘拐されるパートなのですが
このパートでも引き続きPCたちはセガールポイントを小刻みに稼いでいきます。
誘拐パートの終了時には必ず誰かが誘拐されるのですが
そのキャラクターこそが実はセガールの娘なのです。
誰であろうとセガールの娘です。

そしていよいよ決戦パート。
このパートの開始時にPCの誰かが突然
今までの設定を全部無視してスティーブン・セガールと変貌を遂げます。
それまでにどのような未回収の伏線があろうとセガールになります。
(このセガールになるPCは今までで一番セガールポイントの高かったPCです。)
偽りの身分を捨て去り、遂に姿を現したセガールは黒幕と対峙し
その圧倒的な強さでもって敵を打ち倒し、最後は娘と和解しエンディングを迎える……。

というのがセガールTRPGの大枠なのですが、先ほどのリンクのサイトでリプレイを読んでいただければ
TRPGの面白さを理解して頂けると思います。
(と言ってもこのTRPGはかなり異色のものだと思いますが)

他にも色々と面白いリプレイがあるので、皆さんも興味を持ったら探してみてください。

K.U.

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