2014.07.11
社員R

ワールドカップ ブラジル大会のこと

今大会は、試合時間が時間なので全然見られていません。そんな中で試合を見たチームについて書いていこうと思います。これを書いている時点では、ベスト8が出揃ったところです。

■オランダ

1974年の西ドイツ大会のオランダ代表は、トータルフットボールで旋風を巻き起こしました。それまで守備の選手は守備、攻撃の選手は攻撃と完全分業制だったサッカーに守備の選手の攻撃参加、攻撃の選手の守備を加えたそのスタイルは現代サッカーの開祖といえるものです。その後オランダ代表のサッカーはピッチ上に均等にリソースを配分する3-4-3のフォーメーションで歴史を刻んでいきます。

で、そのトータルフットボールのオランダ代表が今大会何をやってるかというと、中盤のサイドが最終ラインまで下がる5バック、というよりは、攻撃は前の3人に任せて、残り7人でがっちり守る分業制サッカーで優勝を目指しているのですね。これはひどい。

スーパー外人FWに攻撃は全部任せて残りはドン引きというサッカーは、10年ほど前までJリーグでも見かけました。まさか、そんなのを今更W杯で見る羽目になるとは思わなかったなと。W杯のレベルで3人だけで打開できる駒を揃えているのがすごいとも言えるのですが。

私は90年のイタリア大会から、オランダ代表を応援しているのですけど、前大会今大会のはちょっと応援する気になりません。でもこの分だと決勝でブラジルとぶつかりそうですね。ちなみにブラジルとの対戦で勝利したのは、1974年大会と2010年大会の二回のみ。それ以外全部負けています。

■ブラジル

最終ラインは鉄壁だしGKも安定。中盤は手堅く、アタッカーはキラ星のような人材が揃いカカが落選するレベルと、どう見ても死角のない優勝候補開催国ブラジルですが、大方の予想を裏切ることなく順当に勝ち上がっています。

そんなタレントの宝庫ブラジルの中で、個人的には左ウイングのフッキに注目しています。

この選手は2006年にはコンサドーレ札幌に在籍していました。当時は全く躾のできていない山猿そのもので、試合中相手選手の脇腹を殴ったのを審判に見られて一発レッドをくらい、当時の柳下監督にどつかれたりしていました。

この年に最低限の躾が終え、次年に移籍した東京ヴェルディで本格化、シーズン37ゴールの活躍でクラブのJ1昇格の原動力となります。この年のフッキは全く手の付けられない選手で、おそらくはJ2史上最強の外国人だったのではないかと思います。

その次年2008年の東京V-FC東京の試合で、J1の舞台でも猛威を振るっていたフッキを、全く無名だった新人左サイドバックが1対1で完封。一部で度肝を抜きましたが、この選手は今インテルでプレイしています。

https://www.fctokyo.co.jp/home/index.phtml?cont=result/result&game=192063&year=2008l

1試合に一人でシュートを20本打つなど、Jリーグでのプレイスタイルは完全俺様だったフッキでしたが、今セレソンの一員として、チームの歯車として働きピッチに立つ姿を見ると感慨深いものがあります。

■スペイン

一次リーグで敗退したものの、弱かったかというととんでもない話で、充分に優勝を狙える力を今回も持っていたと思います。

言うまでもなく転換点は初戦のオランダ戦で、対スペインシフトで挑んできたオランダにまんまとやられた形でした。とは言え、あの試合でオランダは1点目のゴールを割るのにものすごく苦労しています。スナイデルの完璧な抜け出しは、GKカシージャスにあっさり阻まれて、ファン・ペルシーのあのピタゴラスイッチみたいな曲芸ゴールでもってして、やっと一点目のゴールを割っているということは覚えておくべきでしょう。

しかして彼らが頂点を極めたポゼッションというスタイルは、そこに強力なメンバーが揃ったから可能であったものであり、普遍的戦術にはなり得ないものだったということは再確認されました。アリーゴ・サッキのゾーンプレスみたいなものですね。

このスペインの敗退を機に、ポゼッションサッカーを掲げるクラブは減っていくことでしょう。某北のプロビンチャの監督に置かれましても、ぜひご再考願いたいものです。ポゼッションサッカーとか貧乏クラブにはムリですから…

■日本

メンバー選出についての問題は早くからセルジオ越後が指摘していましたし、それでもまだ国内から選出した方ですが、結局は用意した引き出しが少なすぎたという結果だったかなと思います。

闘莉王もいってましたが「放り込みやるならオレ呼んどけよ」というのは全くその通り、電柱要員として豊田は選出しておくべきだったでしょう。その代わりにSBの控えを2人選んだり、絶対使わない伊野波を入れたりとちぐはぐな選出でした。他にも本来必要であった控えの選手が選ばれていませんでしたね。中村憲剛ですとか。

選手交代もブレブレのちぐはぐで、例えばギリシャ戦ならあの展開だったらドリブラーの齋藤学を入れておけよと思いましたね。またボランチも90分持たないのなら、それのための用意はもっとしておくべきだったと。

次大会に向けてですが、月並みながらセンターバック何とかしないと。そもそも今ちゃんはセンターバックの選手じゃないですから。あと、遠藤、中村憲剛の代わりになるボランチも不在です。安泰なのはウッチー、長友の後ろにW酒井の控えているSBだけですね。あとGKか。

■ギリシャ

「予算不足でグループリーグの期間しか宿取ってません」
「選手の一人は本戦の日付に結婚式の予定入れてます」

って、君ら甲子園初出場の貧乏高校ですか。

しかして、グループリーグ最終戦、素晴らしい気迫で奇跡の予選突破を決めました。やはり、日本戦で引き分けで終わらせたあの判断が呼び込んだ奇跡でしょう。

■決勝予想

先にも書きましたが、ブラジルxオランダ、ブラジルの勝ちで

(記:社員R)

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