かなり前に森博嗣の『黒猫の三角』を紹介した記事を書きましたが、今回は森博嗣のデビュー作である『すべてがFになる』が長い時を経て遂にドラマ化、しかも本日10月21日から放送開始ということなので勝手にその宣伝をしたいと思います。
さて、先ほども書きましたが『すべてがFになる』は森博嗣のデビュー作である長編小説です。
煙草とコーヒーが動力源の大学助教授・犀川創平と天然お嬢様なその教え子・西之園萌絵。二人は稀代の天才・真賀田四季博士を訪ねて孤島にある研究所へ向かうのですが、そこで密室殺人事件が発生します。被害者はなんと二人の尋ね人である真賀田博士で、しかも四肢を切断され純白のウェディングドレスを着ているという異様な姿で発見されました。
一体誰が、どうやって、そして何故こんな風に、被害者を殺したのか?
犀川と萌絵の二人は、というか萌絵の方が半ば無理やりに犀川を巻き込んで二人は謎に挑む……。というのがあらすじです。ICTの知識があると、トリックのくだりがより楽しく読めるかもしれません(知識が無くても全く問題はありませんが)。
この『すべてがFになる』とその後に続く計10作の長編小説はシリーズものになっていまして、主役である創平(S)と萌絵(M)の名前から「S&Mシリーズ」と呼ばれています。
今回のドラマ『すべてがFになる』はその「S&Mシリーズ」のうち5作品をピックアップし、1作品を前後編に分けてドラマシリーズ化されるそうです。
S&Mシリーズは下記の10作品ですが、そのうち2、5、1、9、10がドラマ化されます。まあ、外せない作品と分かりにくい作品を取捨選択したら妥当な感じでしょうか。
1.『すべてがFになる』
2.『冷たい密室と博士たち』
3.『笑わない数学者』
4.『詩的私的ジャック』
5.『封印再度』
6.『幻惑の死と使徒』
7.『夏のレプリカ』
8.『今はもうない』
9.『数奇にして模型』
10.『有限と微小のパン』
何故2の『冷たい密室と博士たち』が1よりも先に来るのか? と不思議に思われる方もいると思いますが、実はこの『冷たい密室と博士たち』の方が『すべてがFになる』よりも前に執筆されています。もともと『すべてがFになる』は4作目あたりの話の予定だったのですが、1作目に出すことになったので時系列を合わせるために若干ストーリーの細部が修正されているらしいです。ドラマ化にあたって、その辺をもとの時系列に合わせて再構成しているのかもしれませんね。
ドラマ化というとまず一般の方が気になりそうなキャストですが、犀川創平役が綾野剛、西之園萌絵役が武井咲、真賀田四季役が早見あかり、という感じらしいです。
……といっても、正直自分はテレビ番組をほとんど観ないので、真賀田博士役の人がかろうじて元ももクロメンバーだということで名前は知っているものの(弊社にももクロ好きの方がいなかったらそれすら知らなかったかも)、他のキャストの方のことは全く知りません。ですが、自分としては「誰が演じるか」よりも「どう演じられるのか」の方が気になります。
また主題歌は今年のJOIN ALIVEにも参加したアーティスト「ゲスの極み乙女。」の『デジタルモグラ』だそうです。両方好きな人にはたまらないタイアップですね(何人くらいいるのかは不明ですが)。
ちなみにフジテレビのドラマ『すべてがFになる』の公式ページはこちらです。
個人的にちょっと残念なところは、時間が経って法律が変わったせいで大学の「助教授」という肩書きが「准教授」になり、犀川先生がドラマでは犀川助教授ではなく犀川准教授になっていることでしょうか。
何が残念かって? ほら、何となくこう、助教授の方が准教授よりも響きが格好良いじゃないですか。あれ、皆さんはそうは思いませんか?
……まあ、別にどうだって良いといえばどうだって良いんですが。
実はテレビが家に無いので自分はドラマを生放送では観れないのですが、あらすじは知っているし今すぐ観たいわけでもないので、DVDが出てレンタルが始まったら借りて観てみたいな、と思います。
興味のある方はこれを機に(ドラマ|小説)の『すべてがFになる』を(視聴|一読)してみてはいかがでしょうか?
K.U.