いよいよ今年もあとわずか。年の瀬の瀬戸際です。
そして、なぜか毎年この時期にブログの順番が回ってくるような気が。。。といったことは置いておきまして、例によって年末年始に役に立たない読書案内です。
ところが最近は眼が不調なので、どうも読書が進みません。歳のせいでしょうか(年の瀬だけに)。
それゆえ、まともに本が読めていませんので、ご紹介出来る本のストックもほとんどありません。
その中から無理矢理ピックアップさせていただきました。
ビジネス書としては「ない仕事の作り方」(みうらじゅん著)。
著者のみうらじゅんは、テレビの深夜放送でときどき見かける長髪でサングラスの中年男性です。以前はサブカルの漫画家というイメージしかありませんでしたが、今や世の中のブームの仕掛け人として、知る人ぞ知る存在です。1997年の流行語にも選ばれた「マイブーム」という言葉で、ブームの概念をぶちこわし、「ゆるキャラ」という造語で、全国各地に存在した中途半端な着ぐるみキャラを体系化し、観光地の売店で誰が買うのか謎のお土産、もらうのは遠慮したい嫌なお土産を「いやげ物」、コンセプト不明の絵ハガキを「カスハガ」と命名し、さらに若い女性に仏像ブームを巻き起こす。
まさに、今まで世の中になかった概念を生み出して、それを仕事に結びつける。その秘訣を「一人電通」の仕事術として明らかにしたのが、この本です。ビジネス書と紹介しましたが、肩のこらないみうらじゅん氏の半生記としても読めます。無理矢理ビジネスにこじつけるのならば、クリエイター版「ブルーオーシャン戦略」と言えましょうか。
「ない仕事」の作り方 –
クリエイターと言えば、「クリエイティブ・クラスの世紀」(リチャード・フロリダ著)ですね。「クリエイ」までしか共通してませんが。
8年ほど前に出た本です。内容はクリエイティブ層が集まる都市が発展していく、そしてその成長する都市には3つのTがある。それは技術(テクノロジー)、才能(タレント)、寛容性(トレランス)の3つ。中でも重要なのは寛容性で、スティーブ・ジョブズがジーンズとTシャツでお金を借りられる銀行がなければ、アップル社は今日のようにならなかっただろう、みたいな話が書いてありますが、まだ読書の途中です。この本に関しては某SインターネットのT社長のようにクラウド・リーディングを希望します。
クリエイティブ・クラスの世紀 –
読書途中と言えば、村上春樹の「村上さんのところ コンプリート版」もそうです。これは電子書籍なので、実は何ページあるのかわかりません。かなり読んだはずですが、まだ進捗率は2%です。いつ読み終わるかもわかりません。来年の今頃もまだ読んでいるかも。
ま、内容は読みものではなく、一般人の質問に村上春樹がちょこっと答える。というのが18,000件くらいあるらしいです。眠れない夜に何件か読むとちょうど良い感じです。
村上さんのところ コンプリート版 –
毎年ノーベル賞で騒がれている村上さんですが、「ノルウェーの森」以降、彼の小説を読んでいない私は、彼のエッセイのような文章がわりと好きです。
「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」はアイラ島と北アイルランドの旅行記なのですが、その旅の目的がシングルモルトと黒ビールという酒好きには堪らない内容となっています。
もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫) –
年末年始にまとまった休みはあるけれど、なんだかいろいろ忙しいという時に読む本としては短編集がオススメです。
ミステリーの短編集なら「うまい犯罪、しゃれた殺人」(ヘンリー・スレッサー著)。古い本ですが、アメリカのTV番組「ヒッチコック劇場」の原作になった作品もあって、気の利いたオチをいくつも味わうことができます。
うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫) –
日本の小説なら、「俳優・亀岡拓次」(戌井昭人著)。中年の脇役俳優・亀岡拓次がB級映画のロケ先で巻き起こす小さな奇跡の連作小説。亀岡が出演する映画の題名が笑える。心温まるエピソードも笑える。これを原作にした映画が安田顕主演で1月公開予定です。
俳優・亀岡拓次 (文春文庫) –
休みがあっても、読書よりネットや映像だという人には「ネットフリックスの時代」(西田宗千佳著)がオススメ。
私自身「ネットフリックス」が何なのか知らなかったので、読んでみたのですが、テレビはいずれこのように変貌していくかもって内容で、ちょっとだけわかったような気になれます。
ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える (講談社現代新書) –
といった感じで、適当に端折ってご紹介しましたが、年末年始に朝からお酒を飲むよりは本の読むことをオススメします。もちろん私は朝から飲む派ですが・・・。(それじゃダメじゃん)
来年は申年です。私の座右の銘は「去る者は追わず」ですが、来年は「さるものを追ってみる」のも良いかなと思いつつ、支離滅裂に2015年も去っていきます。
では、良いお年を。
F生