2016.05.17
F生

「FinTech入門」

「FinTech」って、知っていますか?

私は3ヶ月前まで知りませんでした。
まず、フィンテックと音で聞いてもイメージができず、FinTechという字面を見てサウナのマッサージの人を思い浮かべたのでした。(Fingers Technic = 指先の技巧)

しかし、どうやら少しだけ違っていて、FinTechとは、Finance(金融)と Technology(技術)の融合のことらしいのです(指技とはだいぶ違うか・・・)。

で、その意味を知っただけで満足していたのですが、つい最近、電車の中で大学生とおぼしき男女が、しきりにFinTechの話をしているのを聞いたのです。
学生までが話題にしているのなら、良識ある社会人としては、もっとよく知らねばなるまい。と、その足で紀伊國屋書店に向かって、見つけたのが今回ご紹介する「FinTech入門」(日経BP社)なのです。

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(ちなみに電車内の学生男女は、FinTechと言いつつ、水泳の際のバタ足の技術についても話してましたが、それはそれとして)

日本の金融機関のシステム化(あるいはIT化)は進んでいるようでいて、実はあらゆる産業の中で一番遅れているのかもしれません。
1980年頃の第3次オンラインシステム導入で窓口業務のオンライン化や情報系システムの導入などを実現したわけですが、その後第4次オンラインシステムという大々的なシステム導入は行われず、金融機関個別のIT化が進行していったわけですが、バブルがはじけ、金融機関は冬の時代を迎え、そのまま失われたウン十年という年月を数え、ITバブル崩壊やリーマンショックを経て、今日に至っているわけですが、この金融を取り巻くなんとも言えない閉塞感を打破しようと、金融界に新風を吹き込むべく新たなIT化(ここではインターネット化)を推進していこうというのが、FinTechなのです(と句点なしで一気に書いてみました)。

そして、本書はFinTechの入門書ですから、金融とインターネットが融合した未来志向のサービスを広く紹介しているのです(著者の会社の紹介も随所にあります)。
資産運用、融資、クラウドファンディング、決済、保険、不動産等といった分野でインターネットのしくみを利用したサービスが紹介されています。
例えば、従来の融資(貸付金)は不動産などの担保が必要であったけれども、これからはSNSで繋がっている人たちの信用度合いがスコアリングされて、それらが信用評価プラスとなって融資を受けやすくなったり、自動車に、運転の上手さを記録する機器をつけて、運転の安全度合いを測って、自動車保険の料金を安くするなんてこともFinTechだそうです。
このほかにもたくさん今までなかった切り口の金融商品が紹介されています。

これらを実現するのがビッグデータに基づく統計やブロックチェーンのようなセキュリティ技術だったりするわけです。

伝統的な金融業もインターネットとの融合で全く新しいモノに変わっていく可能性があるのです。

と、まあ、以上のようなことを入門書らしく、優しく教えてくれる本なのですが、説明が薄いのは本の内容が薄いからではなく、私の理解度が薄いことと、紹介するこの文章を書く時間のなさがそうさせているのです(なぜかは秘密ですが)。

とは言え、この本を紹介しようと選んだ理由は、何を隠そう私は「入門」が大好きだからなのです。
門に入ると書いて、入門。門を破って、破門。門に名を書いて、名門。前門の狼、校門の生活指導の先生。三四郎、それから、門。。。
なんだか、よくわからなくなってきましたが、門が好きな人に悪い人はいませんっ!!

FinTechに限らず、これからも入門あるのみなのです(という小学生も書かない最低の作文の締めです)。

F生

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