2016.11.09
M.clacla

落語なんていかがでしょうか?

札幌市西区宮の沢にある札幌市生涯学習センター「ちえりあ」では、毎年夏あるいは秋に、東京の寄席を再現した本格的な演芸を楽しむことができる「ちえりあ寄席」を、ちえりあホールで開催しています。
今年(2016年)は、9月29日(木)から10月2日(日)にかけての4日間開催されました。

たまたま、オンラインのチケット購入サイトで「何かいい演奏会とか演劇の公演とかないかなぁ」などと探していたところ、「春風亭昇太」師匠の名前が飛び込んできたのです。

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このチケットを見つけたのが2016年7月。
そう、演芸バラエティ番組「笑点」の司会に大抜擢されてからまだ2ヶ月ほどの時でした。
落語を鑑賞したことなど一度もなく、落語についての知識も全くなく、「寿限無」の「寿限無 寿限無 五劫の摺り切れ。。。」をかろうじて暗記している程度でしたが、昇太師匠の落語を生で聴けるなんてそうそうない機会なので、迷うことなく決済。

10月1日(土)の夜の部に行くことにしました。

当日、会場に行ってみると、
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こんな感じでホール入口前が飾られていました。
入口横には、
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こんな感じで演者の一覧が出ています。

今回、土曜日の夜ということもあり、436席すべて完売御礼。ご年配の方から若い方まで、幅広い年齢層の方が来ていました。

そしていよいよ開演。

前座、二つ目、そして真打2名とテンポよく進み、
仲入り(休憩)を挟み、
二つ目、色物(今回は太神楽曲芸)、そしてトリの昇太師匠と進みます。

最初は初めての落語鑑賞でちょっと緊張しましたが、
前座での古典落語から短めでわかりやすい噺を笑いながら聴いていると、緊張もいつの間にかとんでしまいます。
二つ目では、落語の世界で一人前として認められ、また若くて体力もあるので、動きの激しい演目をすることもあります。
噺の本筋に入る前の世間話からすでに爆笑、本筋に入っても笑いが止まらず、久しぶりに声を出して腹がよじれるほど笑いました。
そして真打になると、熟練のわざを堪能できます。

初めて落語鑑賞に行きましたが、落語の知識がなくても肩ひじ張らずに楽しめました。
それに、落語では、使う道具は扇子と手ぬぐいだけなのですが、この道具を巧みに使って、様々な場面を再現していきます。
一方で、実物が目の前にあるわけでもなく、噺の場面の中にいるわけでもなく、一人の噺家が高座に座って限られた道具を使って話をするだけなので、聴いているうちに想像力も刺激されます。
これは、演劇にも通じると思うのですが、演劇のような大道具も多彩な小道具もないので、演劇以上に想像力が刺激されますね。

落語はある程度知識がないと楽しめないのかと思っていましたが、実際に行ってみるとそんなことはなく、噺家さんが作る世界を想像しつつ、巧みなオチには声を出して笑える、とても楽しいものでした。

ところが、その一方で、ある程度知識があると、より一層深く楽しめる世界でもあるようです。
トリの昇太師匠の噺では、会場内全体が笑っている場面もあれば、一部の人達だけが笑っている場面もありました。
その噺の内容や、江戸の文化や日本語の文化など、知識を持ってる人にだけわかるオチだったのかもしれませんね。

古典落語は、江戸時代から明治、大正時代に作られたもの。
同じ噺を複数聴くと、その本筋は変わらなくても、噺家によってまったく違った味になってくるのが面白いですね。

ちなみに、寄席では一般的にその日の演目は知らされず、終演後にも演目は教えてもらえないものなのだそうですが、
今回の「ちえりあ寄席」では、その日の演目を張り出してくれました。
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きっと、初めて寄席に足を運ぶ人が多いのを考慮してくれたんでしょうね。
他の寄席でもこのようにして頂けたらありがたいのですが。。。

今回の噺の中では、「反対俥」、「親子酒」が特に好きな噺でした。
他の噺も面白いものばかりでしたので、某・動画投稿サイトで探してみると、いろいろ出てくると思いますので、興味がありましたらご覧になってみてはいかがでしょうか?
(「最終試験」以外は古典落語なので、おそらく見つかると思います)

そして、さらに興味が出てきたら、寄席に足を運んでみてはいかがでしょう?
肩ひじ張らずに声を出して笑える落語、楽しいですよ。

M.clacla

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