2017.06.12
タイヤ

夏フェスにおけるNaCl+コショウ無限増殖問題

昨今はテントを張って数日間に渡り飲酒したりバーベキューしたりしつつ、様々なミュージシャンが入れ替わり立ち代わりプレイするさまを楽しむ夏フェスというイベントが夏の楽しみのひとつとして根付いた感がある。かくいう私も悪友たちと寝起きからビールを飲み肉を焼いて食らい、ライブステージ前方のモッシュピットで汗だくになったりしている。
  

それにしても学生時代からの悪友たちと肉を焼き、バカ話をしながら酒を酌み交わすというのは実に楽しい。楽しいのだけれど、学生時代からの付き合いがあるということはそれだけお互いに歳を重ねたという証拠でもあるのだなと痛感する。具体的に言えばどんどん肉が食えなくなってきている。昔であればとにかく肉を食ってビールを浴びるように飲んでいたものだが、最近はというと会場に持ち込む食材のなかで肉の占めるウェイトがどんどん減っていて、代わりにホッケの開きであったりエリンギなんかが台頭しはじめている。それらをチマチマと焼いて、もそもそと食いつつ最近腰が痛えんだよなあ……とかぼやきつつ、炭酸もきつくなってきているものだから焼酎をちびちびやるというような場末の居酒屋と見まごう光景になりがちで妙に物悲しい。でもまあこうして見慣れた顔が無事に揃うというのはありがたいことではある。
  

というようになんとなくいい歳の取り方してきましたみたいな事を言ってみたが、やはりちょっとくらいは肉食べたいよねとなんだかんだで一応肉は買うのである。男たるもの肉食ってナンボみたいなところもあったりなかったりするとか聞いたような覚えがないわけでもない気がする。私も多少は肉が食いたいからそれはいいのだが、問題なのは塩コショウも毎回新品を購入してしまうことだ。もう全員味が濃いものはあんまり食えないからタレより塩コショウというのは分かるのだが、先に申し上げたようにもう大して食えないのだから必ず塩コショウが余る。で、フェスが終わって帰る段になると、お前札幌に住んどるし料理に使うだろと余った塩コショウは半ば強制的に私が引き取ることとなる。ここで私が塩コショウ切れになると指先が震えだし、部屋の片隅で膝を抱えて震えるような病的な塩コショウ好きであればよかった、いやよくはないのだが、正直なところ私が料理をするにあたって塩コショウの使いどころって実はそんなに多くない。
  

未使用の塩コショウ残量を100%とするとフェス終わりの段階では80%くらい、その80%を私が使うことになるわけだが、ではその80%を年にどれくらい消費するかというとせいぜい30%くらいではなかろうか。つまり実際に私が使うのは元の量の24%くらいだと思われる。そうしている間に次のフェスが始まって終わり、新たな残量80%の塩コショウが我が家にやってくる。要するにどうやっても私がこの塩コショウたちを使い切ることはできないのだ。
  

もし塩コショウがすぐに腐ったりするのなら、私もそういうものだからと捨ててしまうこともできるかもしれないがあいにくそのような性質ではない。また市販されているものということは食品メーカーの方々が家族とのふれあいを犠牲にし、試行錯誤の末に最適と思われる配合比率等を決めて市場に送り出したモノなんだよなあ……などと想像してしまうと変に思い入れが生まれてしまって余計に捨てられなくなってしまい、そうして我が家にはやたら大量の塩コショウが貯蓄されていくのである。今台所にある塩コショウを手にとって見ると、内容量は140グラムとある。先程の80パーとか30パーといった割合を整理し、今後10回連続でフェスに参加した場合の塩コショウ量を計算すると以下のような結果となる。

speadsheet
  

10年で800gちょっとなら大した量ではないと思うかもしれない。しかしながら仮に今後76531年間フェスが開催され続けた場合、我が家の塩コショウ貯蓄量は6トンを超えることになり、そうなると私はアフリカゾウ1頭と同居しているのと同等の状況に陥ってしまう。塩コショウはペットではないから拙宅の賃貸契約に違反するわけではないが、とくに懐くわけでもないし可愛くもない。ただただ部屋のスペースが圧迫されるばかりで、メリットらしきものといえばもしかすると除湿効果とかあるかもしれない、あとコショウが芳香剤っぽい働きをして生乾きの洗濯物のにおいをごまかせたりするかもしれないという根拠のない予想だけである。
  

私が今後76531年生きているかどうか、それまでフェスが続いているか、そして数年前とあるフェスに参加したとき泥酔して爆睡したらまともにライブを見たのは2バンドだけという結果となり、体力とか衰えて歩くのめんどくさいし最近のバンド追っかけられてないからライブ見るにしても盛り上がれないし、チケット代とか考えたらこれってなにをするにも不便なだけのただ超割高外飲みじゃねえの?と思って以来フェスに行かなくなったという点を考慮しなければ、これは由々しき事態である。これはフェスを愛する皆さん、そしてアーティストや主催者といったあらゆる関係者にとって無視できない問題である。そろそろ我々は真剣に塩コショウと向き合うべきではないだろうか?

    
特別ふろく Python塩コショウ量計算器
つかいかた コードをmain.pyとか適当な名前で保存し、python実行可能環境で数値を2つ渡して実行しよう!
参加回数ごとの量を知りたい!  
最初の引数に回数として1以上の値、ふたつめの引数には0を指定しよう! 
目標量に達する参加回数を知りたい! 
最初の引数に0、ふたつめの引数に目標量(グラム)を指定しよう! 
ちゅうい 
アフリカゾウのくだりのためだけに書いたコードだからバリデーションの類は一切してないし、2分くらいしか動作確認していないのでなにがどうなっても知らないぞ。  

# -*- coding: utf-8 -*-
import os
import sys

BEFORE_SHIO = 140
FES_RATE = 0.8
UCHI_RATE = 0.7
AFTER_SHIO = BEFORE_SHIO * FES_RATE
UCHI_SHIO = AFTER_SHIO * UCHI_RATE

def main(argv):
    arguments = sys.argv
    arguments.pop(0)
    num_fes = 0
    limit = 0
    if len(arguments) != 2:
        return
    num_fes = int(arguments[0])
    limit = int(arguments[1])
    i = 0;
    print 'cnt:%d limit:%d' % (num_fes, limit, )
    
    #return
    while(1):
        weight = UCHI_SHIO * i + AFTER_SHIO
        if num_fes > 0 and limit == 0:
            print u'%d %d' % (i + 1, weight)
            if i > num_fes-1:
                break;
        if num_fes == 0 and limit > 0 and weight >= limit:
            print u'%d %d' % (i + 1, weight)
            break
        i = i + 1
    
    
if __name__ == '__main__':

    main(sys.argv)
  


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