私の住む大阪では、6月20日までの3度目の緊急事態宣言が明けてから、観光スポットになるような場所も人数制限などで感染対策しながら、少しずつ営業を再開しています。
※今週の8月2日から4度目の緊急事態宣言の期間に入っており、施設によって再び休業・時短などの対応がとられる可能性もあります。
大阪市の中で一番南の区に住んでいる私にとって最も身近な観光スポットは、天王寺駅近くにある、あべのハルカス。
久々にあべのハルカスの展望室に行って気分転換しようとWebサイトを見ていたら、あべのハルカス美術館で「ポーラ美術館コレクション展」をやっているのを見つけました。
何年か前、弊社代表の前田が朝礼で、美術を見るなど、目を養ってみるのもいいのではないか、というような話をしていたのを思い出し、美術のことは何も知らないド素人ですが、行ってみることにしました。
というわけで、あべのハルカス美術館にやってきました。
密を回避するため、人数制限をし、数人ずつ入場します。
たくさんの絵画があり、2時間近く、時間が経つのも忘れて素晴らしい絵画をじっくり見てきました。
その中で、私の中で印象に残った作品をいくつか紹介したいと思います。
セーヌ河沿いの美しい風景とピクニックを楽しむ人々がいるんだけど、セーヌ河を隔てて向こう側には煙をもうもうと出す工場。
モネが作品に込めた意図はわかりませんが、セーヌ河の隔たりが、美しい自然を壊す近代化を受け入れがたいモネの悲しさの表れかな、と個人的に感じました。(ぜんぜん違うかもしれませんが。。。)
この作品は、展示されている中で唯一、撮影が許可されたものでした。
ルノワールは、モデルが着用する服や帽子などを提供することもあったということで、この作品もそうなのかもしれません。服やレースの帽子の質感が立体感を生んでいるように感じました。
特に、レースの帽子が繊細に描かれていて、力を入れて描いたことがうかがえます。
点描画というものを初めて観て、とにかく圧倒されました。
近くで観た時には色を混ぜずに絵具単体の色が点で描かれているだけなのに、離れて観た時に立体となった空間が目の前に広がって、朝日を浴びてキラキラ輝く木の葉、柵の向こうに見える景色が本当に美しくて、あまりの感動に震えが止まりませんでした。
ほかにも点描画がいくつか展示されていて、どれも素晴らしかったです。
こちらは高さが2m近くある大作で、4面がつながった面白い作品です。パリの朝、昼、夕方、夜の景色が、デュフィの人生のシンボルであるバラに染まるようです。
凱旋門やエッフェル塔など、パリの名所を一度に見たいという欲張りな人にとって、最高の作品かもしれません。
点描とはうってかわって、平面的なタッチの作品ですが、真っ白な肌の女性の美しさに、うっとりと見とれてしまいます。
パリの上流婦人の間で、ローランサンに肖像画を描いてもらうことが流行になったそうです。こんなに美しく描いてもらえたら最高でしょうね。
この歳になって初めて、少し勇気を出して美術館へ行ってみたのですが、本当に行ってよかったです。
今回のポーラ美術館コレクション展では、音声ガイドの機器を貸し出してくれて、いくつかの作品について、画家の人生や作品の内容、画家が込めた思いなどを、わかりやすく解説してくれましたので、美術史などについて全く知識のない私でも、楽しむことができました。
正直、パブロ・ピカソの作品は私には理解できませんでしたが、印象派の作品は、実際の景色や人物を、自分の目に映った印象をそのまま表現しようとしてもので、とても見やすいと思います。
また、絵画の中で特に強調している箇所(風景画の中での人物など)に、何かの意図があるのかもしれず、どんなことを考えて描いたのか考えてみるのも楽しいです。
今回はポーラ美術館が収蔵する作品を借り、大阪まで運んで展示したものですが、一度、箱根にあるポーラ美術館に行ってみたいものです。
美術にあまり馴染みのないという方も、音声ガイドを貸してくれるところもありますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
なお、デルタ株の急激な感染拡大により、緊急事態宣言の発令が繰り返されており、コロナ禍の収束はまだまだ先になると思っています。施設によって営業日や時間などが異なると思いますので、お出かけの前に十分にご確認頂ければと思います。
M.clacla