地デジ移行に伴ってテレビの買い替えを検討したが、果たして自分はテレビを必要としているのかと考え、水曜どうでしょうしか見ていないことに気づいた結果、もうテレビいらねえなと14インチのテレビデオ（若い方に説明すると古のオーパーツです）を放り投げたのが何年前だったか。とにかく自宅にテレビなくても平気じゃんと思ってからはや十数年、それでもふとしたタイミングであの番組はけっこう面白かったなと思うこともあるので、なにかしらの娯楽にはなっていたのだと思う。
ただ面白かったなあ、と思い出すのではなく、あれは一体なんだったのかと思うこともままあって、未だにあれは一体なんだったのか判然としない番組がある。具体的に言うと、エキセントリック少年ボウイみたいな格好をした香取慎吾さんが、ハリボテの謎マシンに乗りながら「仕事したくないよー家にお金入れたくないよー」と歌う番組（もしくはその1コーナー）で、これがネットでいくら情報を掘り起こそうとしてもそれらしいものが見当たらない。私はたしかにそれを深夜に見て腹が痛くなるくらい笑ったはずなのに、その存在を証明できず、なにかのきっかけで頭に浮かぶたびにあれは夢だったのか、それとも記憶の捏造かと悩み続けて十数年。結局答えは分からないままだ。
こうなるといよいよこのエントリのタイトル通りそんなものははじめから存在していなかった、あれは私の意識が生み出した架空の存在であったのだ、という線で落ち着きそうなのが本当に悔しいし、これだけはっきりした記憶が捏造されて気づいていないのが少し恐ろしい。じつは量子力学的なサムシングで、実在はするが確率でしか視聴できない超革新的な放送だったのかもしれない。量子の働きは人間の記憶にも影響を与えるなんて話も聞いたことがあるしなんかすごい技術の放送に遭遇したんだ、と思うほうが精神衛生上よろしい気がする。と思ったが、んなわけはねえよなと冷静に判断するのがまともというか標準的な思考なので、いよいよ香取慎吾さん本人に聞いてみるくらいしか真偽を確かめる方法がない。どなたかツテがある方、もしくは私と同様にあの詳細不明プログラム見たよ！ という方が存在してくれたら私の不眠症も多少は改善するかもしれない。情報求む。
タイヤ
