テレビで競馬中継をよく見る方はご存じだと思いますが、テレビカメラはゴール前の映像を若干斜めからとっているので、きわどいレースになるとどちらが先にゴールしたのかがわかりにくいです。
きわどいレースとして私が真っ先に思い出すのは、2008年の天皇賞秋、ダイワスカーレットとウォッカのたたき合いとなったレースです。
私はダイワスカーレットが大好きだったこともあってか、ダイワスカーレットのほうが先着しているように見えるのですがどうでしょう?
プロ野球などのスポーツでは、きわどい判定となった時にはビデオのリプレイ画像を確認して再検証します。
一方競馬では、動画ではなくゴール前で撮影した写真を用いた写真判定というのが行われます。ここに2008年天皇賞秋の写真判定に使われた決勝写真がありますが、ウォッカが先着しています。
この決勝写真、パッと見ると縦に線が入っただけの普通の写真に見えますが、実は普通の写真とはちょっと違います。
一般的な写真は、カメラのシャッターを押した瞬間の空間的なポジションを写しています。そのため、写真に写る馬の横位置の差は距離の差を表していることになります。
一方、決勝写真で使われている写真は、縦の細いスリットを通して撮影した連続写真を横にずらしてつなぎ合わせたような作りになっています。
なので、決勝写真の横位置の差は、距離的な差ではなく時間的な差を表しています。決勝写真は、横位置的にはどこも全く同じ場所を写しているという不思議な写真なのです。
JRAが作ったわかりやすい解説動画があるので興味がある人は見てみてください。
Jackal