2022年の秋といえば、まだ世界各国から観光客の受け入れはしていなかったものの、某感染症が終息の兆しを見せ、国内ではイベントや観光事業などが復活し始めた頃合い。各観光地も徐々に客足が戻り始め、いよいよ、という雰囲気が出てたように思う。
このブログを書いてる2023年10月現在においては、各観光地は外国人観光客でごった返してオーバーツーリズムだとかで大変なことになっているらしいが、その1年前の秋はまだ訪日客がいなかったのでそこまで大騒ぎにはなっていなかった。
会社の後輩のKくんに「出雲と京都どっちがいい」と聞いたら京都と返ってきたので、今回は2022年の秋、つまりある意味最後の、安寧な秋の京都に訪れた様子をお届けする。(今回は一人旅)
語彙力がないので同じ表現の繰り返しになってしまう点はあらかじめご了承願いたい。
ひとえに京都とはいっても、あの狭い盆地のなかには凄まじい数の観光地が存在している。
歴史的な価値のある神社・寺はもちろん、風光明媚な場所もいくつも存在している。さらに京都と奈良はセットで観光できるため、奈良も含めるとそれはそれは大変な数になる。
私は4泊5日を取って朝から夜まで動き回ったが、それでも主要観光地の半分もまわれたか怪しい。スクロールしていただいた結果「ぉぃあのお寺・神社ないやんバァン」を防ぐため、あらかじめ今回紹介する箇所を列記しておくことにしようぃ
1.清水寺
2.東大寺
3.春日大社
4.平等院鳳凰堂(夜)
5.嵐山
6.金閣寺
7.銀閣寺
8.永観堂
9.東福寺
10.貴船神社
おまけ
※今回訪問できなかった主な観光地:東寺、下鴨神社、伏見稲荷(別日に訪問済)、花見小路、二条城、比叡山延暦寺、瑠璃光寺など
※訪問したけど省略した観光地:八坂神社、南禅寺、石清水八幡宮、平安神宮、鞍馬寺、京都タワー、興福寺、平城京跡地など
初手はいきなり清水寺から(とはいってもほかの観光地も十分に強すぎるのだが)。
2022年11月19日16時、京都の河原町付近に宿を取った私は、大きなスーツケースを部屋に置くと早速日の短くなった京都の街へと繰り出す。
河原町のすぐ東には京都を代表する川である鴨川が流れている。これを渡り東へと歩を進める。
夕暮れ時の淡い黄昏色の空が鴨川に反射してとても優美だったので、清水寺とは直接の関係はないが載せておこう。
東側へずんずん歩いていくと二年坂というお土産屋さんが立ち並ぶエリアに到達する。
日もどんどん落ちていき、淡い黄昏の夕焼けに法観寺の五重塔がシルエットとして美しく映える。
初日にしておそらく一番好きな1枚が撮影できた。これをエモいっていうんだな。
さて、二年坂から南に舵を切り三年坂に合流し、お土産店の立ち並ぶ坂道を、全国各地から集まりごった返す民衆の波に乗ってのんびり上り進む。
清水寺では紅葉の時期にあわせて、夜間ライトアップが開催され、それを目当てにカップルやら団体客やらがわんさか集まるのだ。正直子供なんて連れて歩けないくらいの人混みとなった時もあるが、訪日客がいない状況でこれなので今年はさながら地獄だろう。
鴨川から波にのまれること40分程度。
ようやっと清水寺の入り口にあたる仁王門に到着。鮮やかな朱色と夜空のコントラストが、みなのカメラのシャッターをぱしゃりぱしゃりと何度も押させるよう。
夜のライトアップを見るためにはお金が必要なので、仁王門右手のチケット売り場で購入する。いくらだったかは忘れたがそこまで高額ではなかった記憶。
仁王門でチケットを切ってもらい、本堂のほうへと階段を上がる。
道中では早速真っ赤な紅葉がお出迎え。夜間撮影なのでブレをいかに抑えるかの技術が試される瞬間である。
しかしながらこういうのは間近に見えてからが詰まって先に進まないというもの。まるで長い年月をかけ西進するハワイ島のように、人混みの中を数㎝ずつ進む。
清水の舞台の向かい側にある奥の院の撮影スポットに到着し、前方の人が撮影を終えて順番が回って食えるのを今か今かと待ち侘びる。
前方の人と入れ替わるのも一苦労な、目の前には人しか見えない狭い狭い空間を抜け出し、ついに待ち望んだ景色が露わになった。
鮮やかに燃ゆるようなライトアップされた紅葉、静かにあかりの灯る清水寺本堂、夜空を彩るような清水寺から放たれる青白い一筋の光線、そして力強く援護射撃するかのような京都の眩い夜景。
結果、目と鼻の先にある本堂から1時間もかかってしまったが、こんな欲張りセットを1分でも堪能できるなら間違いなく安いものだ。
本当は100枚くらい手元には写真があるのだが、全部紹介しているとスクロールバーが豆粒になってしまうのでこの程度にしておこう。
奈良の街では歴史的な仏閣のほかには鹿が有名だが、当の鹿は街中あらゆる場所にいるわけではなく(それはそう)、主に奈良公園のまわりに生息している。
しかしひとたび奈良公園の近くまでくればもうそこはシカワールドである。
我が物顔で座り込んだりのそのそと歩き回ったり、観光客に餌をくれと強請るような様を、いくらでも、そうそれは本当にいくらでも見ることができる。
さて、そんな奈良公園に鎮座するのが、日本の中でも指折りの歴史遺産、東大寺である。
社会科の資料集で見慣れた巨大な南大門を抜け、中門でチケットの清算を終えると東大寺の大仏殿が見参。その辺のお寺とは格が違うのが、人の大きさとの対比でもよくわかる。
ちなみに大仏殿の前にちょこんと立つ燈籠はさりげなく国宝である。
あらゆるところに国宝がある奈良、さすが。
そして、東大寺といえばこの大きな大きな大仏様。
でかすぎて一周回って大きさが全く伝わらないと評判(?)の大仏様。
数値にしてみると、高さは14.7m+台座の高さ。私のような1.7mの人間10人分の高さというわけだ、うーんやはりわからん。
東大寺に比べるとどこか地味な春日大社だが、立派な世界遺産「古都奈良の文化財」の1つである。
写真や地図を見ると割と山のほうにあるように見える春日大社だが、実は東大寺から歩いて30分程度で到達できる。
30分というとちょっと長いかもしれないが、この間にも様々な仏閣あり、紅葉のポイントありなので全く苦にならない30分であることは補足しておきたい。
趣のある中門などは一見の価値ありだが、春日大社は境内に面白いものがいくつかあるのでそちらも紹介したい。
長い朱色の回廊に大量の燈籠が吊り下げられる様はなかなか圧巻。
別の季節にはライトアップイベントも開催されているようなのでそれも是非見てみたいところ。
こちらは真っ暗な部屋にたくさんの淡い灯りの燈籠が吊るされた部屋。
目が慣れるまではちょっと大変で足元に注意。最初に入ったときは朧げに御霊でも見えるかのような空間に思えた。
春日大社の境内の外、赤黄緑の紅葉も目を引くが、その手前に大量に置かれている燈籠もこれまた面白い存在。
春日大社はスピリチュアルな要素がふんだんに垣間見えるので、そのような雰囲気が好きな人は是非足を運んでみてほしいところである。
平等院鳳凰堂といえば、10円玉に描かれている、日本を代表する仏閣である。
京都市のちょい南、宇治の街に鎮座している。昼はもちろん見れるが、夜にライトアップイベントを開催していることもあり、予め予約していくことで、そのライトアップイベントに参加することができる。
1日2つの部にわけられるこのイベントでは、予約者の確認とチケットの配布などがあるため先に並んでおかなければならない。
京○ニが制作する某音楽青春アニメの聖地巡礼を楽しんだ後に、その整理列に並んで待機する。
鳳凰堂にも期待がかかるが、入るまでの紅葉も色とりどりの赤に色づき、鮮やかで美しいもの。
それらに感嘆の声をあげながらしきりにシャッターボタンを押していると、ようやっと境内に入れる時間がやってきた。
壮麗で厳かな雰囲気の平等院鳳凰堂を、まるで端から端まで舐めまわすようにじっくりじっくり堪能する。
お堂の中に入ることはできないが、張り巡らされた池に美しく反射する鳳凰堂を、外から神聖な空気を味わうだけでも満足できる代物だ。
京都と一緒に奈良に行ったのならば、宇治は京都と奈良の間にあるので是非鳳凰堂も訪れてみてほしい。
日付が変わり3日目、この日は京都市内を重点的に探訪した。3日目1番手は、京都の市街地の西に位置する嵐山である。
嵐山にはいくつか名所があるが、今回はそのうち3か所を訪問。
まずは嵐山といえば、の渡月橋。
あまり綺麗には撮影できなかったが、天気も微妙だったので致し方ない。
嵐山にはいくつかお寺が点在するが、そのなかでも今回は天龍寺を訪問。この寺も世界遺産である。
14世紀に作られた寺院には、敷き詰められた砂と大きな池の、日本らしい庭園がお出迎え。そして真っ赤な紅葉の木もあちらこちらで見ることができる。
そして個人的に嵐山最大の推しポイントが、この竹林の小径。
背の高い竹が幾重にも重なり、昼前だというのにあたりはかなり薄暗いのも独特の雰囲気があって非日常感たっぷり。
写真で見るとまぁまぁだが、実際歩いてみると圧倒されること間違いなし。
嵐山から京福電鉄(嵐電)に乗り込み、1回の乗り換えを挟んだあと北野白梅町駅へ。
金閣寺へは、京都駅などの主要ターミナルから直接バスで赴くのが基本線だが、このルートはあまりに王道すぎてめちゃくちゃ混むのが難点。
そこでお勧めしたいのが嵐山を観光してからの嵐電ルートで、北野白梅町駅からは少し歩くものの、バスルートより比較的空いた状態で金閣寺を訪問することができるはずだ。
金閣寺といえば、この金色に輝くお堂。
1枚目は池を挟んで遠目からの撮影、これはよく見る光景か。
そして2枚目が池をぐるっと回って一番金閣寺に近づける場所からの撮影。青空と紅葉も織り込んで秋の京都っぽさを演出。
いうて金閣寺はこれと、周囲に小さな碑がいくつかあるくらいで実はあまり見るポイントは多くない。時間的には30分もあれば十分だろう。
どうせなので観光地価格のお高いソフトクリームをいただいた。金閣寺っぽく金箔が振りかけられている。
金閣寺の前の交差点からは、銀閣寺に行けるバスが出ている。時間をうまく合わせればこれで金閣→銀閣と王道どころを一気に2つつぶせるのででかい。
銀閣寺は金閣寺のように目立つオブジェクトがあるわけではないので若干玄人向けっぽさがある観光地であるが、日本らしさがこれでもかと詰まった、「和」を求める人には究極のポイントでもある。
日本庭園大好きマンの私にとってはこの銀閣は最高の癒しポイントであった。
銀閣寺境内の高台から見下ろす景色は、まるで古来から何も変わっていないかのような、どこか懐かしい雰囲気を感じさせる、個人的超絶ノスタルジーポイントである。
銀閣寺にもオブジェクトが全くないわけではなく、例えば向月台や、書院造の建物など、当時の人々の生活や歴史をよく知ることができる或いはそのきっかけになるものがいくつかある。
・・・とはいえ、やはり金閣のように目立つわけではないので、上述したように上級者向けの代物ではあると思っている。
今回旅をした中で一番紅葉が綺麗だった場所がどこかを1つ挙げるならば、間違いなくこの永観堂であった。
銀閣寺から哲学の道という閑静な住宅街の端っこを徒歩で南下していくと、不意に右手に永観堂の入り口が現れる。永観堂の周辺にも大小様々な仏閣が点在しているが、今回は永観堂に狙いを定めた。
美しいグラデーションを奏でる木々、真っ赤に燃え滾るような葉を湛える木々。
紅葉とひとえに言っても、まるで万華鏡を眺めるような、カラフルな色づきを楽しむことができる。
そして個人的にこのお堂で一番好きなのが、階段にかかる紅葉のアーチ。京都は好きな写真が多すぎて本当に困ってしまうな。
永観堂を1時間程度めいっぱい楽しんだら、最後はお茶屋さんで紅葉を愛でながらお団子タイム。
んーーーなんて至福なヒトトキ。
京都駅の南に東福寺というお寺がある。こちらも鎌倉時代創立の紅葉で知られる綺麗な庭園があるお寺だ。
手前右手に見えるのが禅堂、奥に見えるのが本堂である。
1000円いくらか払って三門にも入ったが、そちらは内部撮影禁止なので写真はない、悪しからず。
この東福寺で一番の見どころといえば、お堂の中の偃月橋と呼ばれる橋から見る、真っ赤に山が燃えるかのような紅葉であろう。
登山したときに高所から見下ろすときがこのような紅葉であるが、それに近いような高低感・遠近感が味わえる。赤の中でも濃淡分かれる色づき、芸術作品といっても過言ではない。
特に1枚目のほうは葉の付き方の細かいところまで分かるような、つまりブレがほとんどなく綺麗に撮影できた1枚になった。
ラスボスに持ってきたのが貴船神社。知る人ぞ知る、京都の奥座敷。
出町柳駅から叡山電車でのんびり北上し山登りしていくと、貴船口駅に到着する。ここが最寄りだが、私は阿呆なのでその先の鞍馬駅まで行って、鞍馬寺から山を下って貴船神社に行くという荒療治に出た。山下りは大変だがそれ相応の達成感もあるのも事実。
実は貴船口駅と貴船神社もちょっと距離が離れているのだが、おそらく紅葉の期間中は貴船口駅からバスなどが出ているはずである。
とりあえず京都の観光地のなかでもひときわ到達するのが大変な貴船神社だが、それに見合う価値のある景色を提供してくれる。
紅葉でライトアップされた中、参道となる階段を朧げに照らす、立ち並ぶ真っ赤な燈籠。
鳥居がたくさん並ぶ箇所は割と全国にあるが、燈籠が階段に綺麗に並ぶ箇所はなかなか見当たらないのではないだろうか。
貴船神社の近くには流れの静かな貴船川が流れている。
先ほどの朧げな光とは正反対の煌々と光る燈籠が川面にゆらりゆらりとゆるやかに揺れていた景色は、私の京都での旅路を締めくくるのにはそれはあまりに過ぎた景色だった。
最後は貴船口駅で紅葉と列車のコラボレーション。
列車が出町柳駅方面、或いは鞍馬駅からやってきたときは、まるでアイドルの出待ちかのようにみなが一斉にスマホを掲げて写真を懸命に撮っていた。
秋の京都と叡電を象徴するような一瞬だった。
今回河原町でとったホテルは「四条河原町温泉 空庭テラス京都」というホテルだった。
このホテル、実は2022年秋当時では超新しいホテルで、なんなら予約したときはまだホテルが建設中だったくらいのできたてほやほやホテルである。
このホテルのすげぇところを端的に言うと、「屋上での体験がえぐい」の一言に尽きる。
そもそも屋上に上がれるホテルがあることに驚きだが、その屋上から京都の東側の景色を眺めることができ、ジュースのサービス(有料だったかも)があり、おまけに足湯までついている究極の豪勢っぷり。
足を温めながら黄昏に染まる京都を眺められる、最高の体験である。
そしてこの屋上は朝も来ることができる。
このホテル、珍しいお弁当タイプなのだが、それをもって屋上に上がり、朝日と涼しい朝風を浴びながらのんびりゆったりブレイクファアストを楽しむことができるのだ。・・・至れり尽くせりとはこのことか。
当時は4泊で8万弱だったが、現在は需要も上がり値段が跳ね上がっているに違いないので改めて確認してほしい。
mao