2026.09.25
M.clacla

世界地図の常識が変わる?

今までの常識 メルカトル図法

皆さんは「世界地図」ときくと、どのような地図を想像されるでしょうか?

だいたい、こんな感じの地図を想像される方が多いのではないでしょうか?

この地図は、「メルカトル図法」という地図の投影法です。
地理の授業などで習った記憶があるという方も多いのではないでしょうか。

このメルカトル図法では、正角性という性質が大きな特徴となっていて、経線と緯線が直角に交わるため、角度が正しく保たれます。

ざっくり言うと、十分に狭い範囲で見ると形が正しい、とも言うことができ、日本列島の本州程度の広さであれば、正しいとは言えなくとも、自然に見えるようです。

とある日のニュース

2026年9月上旬、なんとなくネットのニュースを眺めていたら、世界地図の常識が変わるかもしれない、というニュースを見つけました。

参考:
2026年9月5日 日本経済新聞 – 国連総会「メルカトル図法やめて」 アフリカ面積の正確な表示促す
2026年9月15日 日本経済新聞 – 「メルカトル図法」批判決議 国連「国の大きさ不正確」 アフリカ諸国が主導

メルカトル図法の問題

メルカトル図法では、前述のとおり、正角性という大きな特徴がありますが、欠点として、緯度が高く(極に近く)なればなるほど、面積が大きくなってしまうという性質を併せ持っています。

緯度と面積の関係はこの図のようになっています。

この面積のゆがみの具体例として、北極の近くのグリーンランドと、赤道の近くのアフリカ大陸の関係がよく知られています。

実際の面積は、

  • グリーンランド: 約213万〜217万平方キロメートル
  • アフリカ大陸: 約3,000万平方キロメートル

といわれており、アフリカ大陸はグリーンランドの14倍ほどの面積を有しているのですが、メルカトル図法では、同じくらいの面積のように見えてしまいます。

このように、高緯度にある国が実際の面積より過大に映り、一部の国が国力の強大さを示すプロパガンダに利用されたり、赤道に近い地域が過小評価されるなど、社会的に問題があったようです。

そのため、アフリカ諸国などが不均衡な世界観の改善を訴え、国連に決議案を共同提出し、賛成多数で採択されたとのことです。

新しい常識になる? イコールアース図法

国連の決議案では、実際の面積比を反映し、かつ、より自然に見えやすい、「イコールアース図法」という地図表現が適切な選択肢としており、加盟国や国際機関に採用を奨励しているそうです。

こちらの図は、日本付近を中心としたイコールアース図法の世界地図です。

この図法では、極に近い高緯度の地域でも面積の歪みを抑えられており、さらに、左右の中心にある地域では形状の歪みも少なく、左右の端に近い地域では形状に歪みはあるものの、より自然に表現されています。

Equal Earth × OpenStreetMap というWebサイトでは、OpenStreetMapのデータをイコールアース図法で表現しており、ドラッグ&ドロップで中心座標を変えると再描画されるので、世界のいろいろな場所を中心にしながら、イコールアース図法での表現を閲覧することができます。

興味をお持ちいただいた方がいらっしゃいましたら、ご覧頂ければと思います。

今後どうなる?

このように、国連の決議はありましたが、メルカトル図法の地図の使用を禁止するものではなく、イコールアース図法を正確な地図表現の「適切な選択肢」と位置付けており、国連加盟国や国際機関に採用を「奨励」するに留まっています。

地球という立体を平面の地図で表現する以上、何かを正確にして表現するには、別の何かの正確性を犠牲にしなければいけない、トレードオフの関係が必ず存在します。

今後、報道や教科書などの世界地図の表現方法が変わる可能性もありますが、用途に応じて適切な表現を選ぶ、ということを意識していけたら、と考えるきっかけになりました。

M.clacla

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