2011.09.27
K.U.

黒猫は連続殺人犯の顔を見たか

今回は読んだことのある本の紹介でも書こうかと思ったのですが、
SF小説の紹介を別の方が書いていらっしゃる様ですので、
ミステリィ系の本を紹介したいと思います
(ちなみに今はひと月ほど前に紹介されていた『ねじまき少女』を読んでいます)。

『黒猫の三角』は森博嗣の長編小説で、
Vシリーズと言われている10冊の中の第一冊目に当たる物語です。

舞台は愛知県にある那古野市。
1年に1度、「ある規則」にしたがって女性が殺害される事件が発生しているが、
同一犯と思われる犯人は未だ逮捕されていない。
探偵であり語り部でもある保呂草潤平はある日、
連続殺人の「ある規則」に当てはまっているという小田原夫人から護衛を頼まれる。
保呂草は同じアパートの住人、小鳥遊練無と香具山紫子、
そして夫人の屋敷、桜鳴六角邸の離れに住んでいる風変りな女性、瀬在丸紅子らと一緒に
夫人の誕生日パーティへ出席することに。
果たして惨劇は食い止められるのか?
連続殺人犯はパーティ参加者の中の誰かなのか?

……というのが話のあらすじです。
メインの登場人物の名前がちょっと特徴的というかかなり変ですが、
推理小説としては至って普通です
(と言ってもトリックに面白みが無い、というわけではありませんよ)。
事件の真相を推理する探偵役は、物語中の探偵の保呂草ではなく、
旧家の令嬢で科学者で一児の母でもあるという、謎に満ちた瀬在丸紅子。
VシリーズのVは紅子(Venico)のVらしいです(何故Benikoじゃないのでしょう?)。

ちなみにタイトル『黒猫の三角』というのは、
作品中に出てくる、額に白い三角模様を持った黒猫に由来しているようです。

シリーズと言っても1作品で完結しているので、
もちろん1冊だけ読んでも十分楽しめます。
しかし、この作者の作品はシリーズ内だけではなく
他のシリーズとも微妙に関連があったりするので、
別の作品を読んでみると更に楽しめると思います。
ミステリィ好きでまだ森博嗣の本を読んだことが無いという方は
是非読んでみてください。

まとまった時間が無くても、
電車やバスの移動時間などに少しずつでも読めるのが本の良いところですよね、
などと言いつつ今回はこれで終わりたいと思います。

K.U

一覧に戻る