プロレスには「アングル」という言葉があります。
試合内容や勝敗の取り決めが「ブック(台本)」であれば、
試合外での仕掛けや設定・ストーリーを総称して「アングル」といいます。
一番ポピュラーなのはライバルという構図を作って、舌戦で相手を挑発したりする行為ですかね。
例えば
「越えアングル」
師弟関係にある選手同士が戦い、弟子が初めて師匠に勝つ。
もしくはエース級の選手に勝ち、実力が認められるようになる。
世代交代アングルといってもいいかもしれません。
例)猪木越え、四天王越え、鶴田越え、長州越えなど
「修行アングル」
ある選手になかなか勝てなくて、修行して必殺技を会得して帰ってくる。
もしくはスランプに陥り、山篭りしてスランプを克服する。など
例)橋本VSトニーホーム※橋本が負けまくり、修行して水面蹴りを会得し勝利
例)武藤の山篭り
まるで漫画のような展開ですが、エースクラスの選手が
さらに高みにいくためにごくまれに仕掛けられます
勝敗が決まってるのにスランプもクソもないだろうと思うでしょうけど、
プロレスは奥が深いのです。
最近は怪我を抱えながらも無理して戦う
「負傷アングル(※本当に怪我していると思われます)」と、
他団体と抗争する「外敵アングル」が多いですね。
※アングル名は私が勝手につけています
ただ失敗したアングルもまれにあります。
小学生の頃テレビを見ていて一番印象に残ってる試合なんですが、
新日本プロレスで「TPG事件」というのがありました。
ビートたけしが「たけしプロレス軍団」を設立。
略称は「TPG」
当時、打倒猪木を掲げるマサ斉藤と組んで猪木に挑戦状を叩きつける。
※当時たけし軍団はどうやらプロレス団体を作ろうとしていたらしい
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TPG参戦決定
猪木の対戦相手として、
マサ斉藤をフロントに、ビッグ・バン・ベイダーを
アメリカから引き連れてくる
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しかし対戦カードが組まれるも
藤波・木村VSマサ斎藤・ベイダー
猪木VS長州
↓
試合当日
たけし軍団が乱入し、「猪木と戦わせろ」「猪木は逃げた」と挑発
↓
猪木登場「受けてやるかこのやろー」的な発言
猪木の名言「お客さん!どーですか!?」がとびだす
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しかし当日の試合予定は
猪木VS長州
猪木に世代交代を挑む長州によるまさに「越えアングル」で、
お客さんも私も大変楽しみにしていた試合です。
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猪木が「どーですか!?」と呼びかけるも
「やめろ!やめろ!」コールで客から大ブーイング
とにかく大ブーイングでした
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しかし「やる」といってしまったので、急遽カード変更
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藤波・木村VSマサ斎藤・ベイダー
猪木VS長州
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長州・マサ斎藤VS藤波・木村
猪木VSベイダー
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↓
まぁ~客から「中身のはいった」飲み物や物が
がんがんリングに投げられまくる事態に
↓
長州・マサVS藤波・木村の試合が終わるも
このままじゃ収拾がつかないということで、
猪木VS長州が急遽やることに
↓
しかし長州は2戦目なので満足な試合ができず猪木に負ける
↓
そして猪木VSベイダー
しかし今度は猪木が2戦目なので、
長州戦のダメージが抜けずベイダーにあっさり負ける
↓
「いいかげんにしろ!」ということで暴動が発生
椅子や座布団(両国なので)が破壊される
新日本は1年半くらい両国出禁状態に
逆に現在なら「あり」なアングルだったのかなと思います。
もう終了してますが「ハッスル」に近いですね。
とにかく仕掛けるには早すぎたアングルでした。
今思うと、アングルの一つだったのに、
悪役にしたてられた「たけし軍団」がちょっとかわいそうです。
ちなみにこのあと藤波が猪木に「越えアングル」を仕掛け、
いわゆる「飛龍革命」がおきます。
このあたりはどこまでがアングルで、
どこまでが猪木体制へのリアルな反抗だったのかはわかりません。
たまに失敗もありますが、プロレスにはアングルが仕組まれていますので、
アングルを楽しむ余裕を持って見るとより面白いですよ。
dk