2011.05.10
chojiro

刑事ドラマでGO!

昨今、星の数程の刑事ドラマが放送されていますが、自称刑事ドラママニアの私にとって刑事ドラマ全盛期は80年代後半~90年代前半になります。
それまでの刑事ドラマといえば「Gメン’75」「特捜最前線」「太陽にほえろ!」の様などちらかと言えば「武骨で男らしい」女性受けしない設定が主流でしたが、86年から始まる伝説の刑事ドラマ「あぶない刑事」の出現によって、それまでの刑事ドラマの概念は一掃され、「スタイリッシュでカッコイイ」刑事像が主流化していきます。

今回は「あぶデカ」以降に放送された、CS、DVDでもなかなか観る事の出来ない、名(迷)刑事ドラマをご紹介していきます。

ジャングル(じゃんぐる) 1987年2月~同12月

これまでの刑事ドラマは殺人事件等の捜査も所轄で完結するという現実離れした設定でしたが、このドラマでは「本庁(警視庁)から捜査一課がやって来て、所轄に捜査本部が建つ」という現実に近い設定を用いています。
これは後年の「踊る大捜査線(’97年)」以降の刑事ドラマで多々使われています。
鹿賀丈史、勝野洋、火野正平と「男らしい」俳優陣で固められていますが、続編「NEWジャングル(’88年1月)」から江口洋介が若手刑事として登場し、人気を博します。

あきれた刑事(あきれたでか) 1987年10月~1988年3月

「あぶない刑事」の制作スタッフがそのまま参加した「二番煎じ」色の強いドラマです。
時任三郎、永島敏行のダブル主演で時任三郎扮する内海刑事は「潜入捜査官」というかなり現実離れした設定になっています。
しかし、途中から潜入捜査を行わなくなったりと、最後まで「設定のブレた」ドラマでした。

ベイシティ刑事(べいしてぃこっぷ) 1987年10月~1988年3月

2人の破天荒刑事、横浜が舞台、洒落た台詞廻しと完全に「あぶデカのパクリ」ドラマです。
藤竜也、世良公則という豪華コンビでしたが、男らしさが強すぎて女性ウケはイマイチだったようです。
藤竜也扮する小池刑事はMA-1を常に裏返して着用(オレンジ側)していましたが、世間では全く流行りませんでした。

刑事貴族(でかきぞく) 1990年4月~1991年3月

「刑事貴族=水谷豊」というイメージが強いですが、水谷は「刑事貴族2」からの主演で、初代「刑事貴族」の主演は舘ひろしです。
主演の舘が16話で殉職し、以降パート1最終回まで郷ひろみが主演、パート2以降(パート3まで)が水谷主演と、今では考えられない強引な配役です。
通常のアクション物の要素に加え、登場刑事達の恰好がオシャレだった点が長く人気が続いた要素ではないでしょうか。
「刑事貴族」の名前の意味は不明です。後年に「富豪刑事(2005年)」がありますが、こちらは筒井康隆原作、深田恭子主演の悪ふざけ刑事ドラマです。

代表取締役刑事(だいひょうとりしまりやくでか) 1990年10月~1991年9月

石原プロモーション制作による刑事ドラマです。
主演の舘は本ドラマ出演の為、前述「刑事貴族」をシリーズ途中で殉職しています。
「あぶデカ」以降の「カッコイイ路線」から「人情路線」に強引に変更した事が良くなかったのか、1年間で終了してしまいました。
舘降板後の刑事貴族がその後数年続いたのは皮肉です。

裏刑事-URADEKA-(うらでか) 1992年4月~1992年6月

藤竜也主演です。
藤扮する岩城刑事の殉職から始まり、手術を受けて生き返るが、半分サイボーグ化しているというもうやけっぱちな設定です。
当時のドラマは2クール(半年間)が主流の中で「全12話」は完全に「打ち切り」だったのでしょう。
今、もっとも再放送を熱望するドラマです。

この後、数年刑事ドラマは低迷期を迎えますが、「はぐれ刑事」「踊る大捜査線」「相棒」と徐々に人気シリーズが誕生し、現在の刑事ドラマブームが復活していくわけです。
皆さんも「こんな刑事ドラマあったよ」と言うのがあれば是非コメント頂ければと思います。

機会があれば「天知茂主演『明智小五郎シリーズ』」でもやってみましょうか。

chojiro

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