2012.07.05
F生

「宇宙創成 上」

そろそろ七夕。という季節になりましたが、テレビや新聞では、「世紀の大発見」が取り沙汰されております。
ヒッグス粒子(なるもの)を発見(確認?)したらしいのです。

「ヒッグス粒子」といえば、泣く子も黙るという、例の、あのすごい粒子です。

何がすごいかというと、大きな音が「バンッ!!」と鳴って(いわゆるビッグバン)、宇宙ができた直後に我がもの顔で光速で飛び回る素粒子どもに、「ちょっと待てよ!お前ら、そんなスピードでチョロチョロすんなよ」と、止めに入ったのがヒッグス粒子なわけで、そのお蔭で素粒子の動きが遅くなり、質量(重さ)が発生したという。(7月4日19時NHKニュース冒頭の超訳)

もし、ヒッグス粒子がなければ、重さがなかったわけで、太り気味の人はダイエットを気にする必要もなかったのです(ウソ)。
とにかく、ヒッグス粒子によって、質量が生まれ、物質が生まれ、星や星座が生まれ、生命が生まれたらしいのです。

しかし、それはあくまでも、1960年頃のヒッグスさんという頭のいい人の仮説で、粒子の実物は見つかっていなかったのでした。

それが、外国の地下にある山手線の中で、チョロチョロしてる素粒子をグーンと加速させて、光速の一歩手前というところで、現れたヒッグス氏をスピード違反で逮捕したというのが、昨日のニュースのあらましです。(ウソ)

◆ま、こういう話はテレビや新聞ではわかって当然のように「すごいですね」とか言ってますが、現実には殆どの人が理解してません(と、自分がわからないことを一般化してごまかしてみる)。

そもそも、宇宙とは何でしょうか?どのように出来たのでしょうか?これが最大の謎ですね。

そんなわけで、サイモン・シンが書いた「宇宙創成」を読み始めました。
「フェルマーの最終定理」「暗号解読」などの著書でお馴染みのサイモンさんの本は読みやすく、わかりやすいのです。
(ただ難点があるとすれば、読書中はわかったつもりでも、読後なにも残っていないことです)

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫) [文庫] / サイモン シン (著); Simon Singh (原著); 青木 薫 (翻訳); 新潮社 (刊)

太古の人々は地球は平らと考えていましたが、その後、地球が丸いことに気づき、その周りを太陽や月や火星などが回っていることに気づいたのでした(天動よしみ説)。

まれに太陽を中心にして、その周りを地球などの惑星が回っていると言う人(地動説)がいますが、もし、地球が動いているなら、その上にいる我々は強風に曝され、場合によっては地球から振り落とされることもあるはずです。
地動説などあり得ない話です。

と思っていたら、コペルニクスやらケプラーやらガリレオやらニュートンやらが、ゴニョゴニョと地動説を主流にしたのでした。

ま、太陽の周りを地球が回ってることは認めましょう。
でも、太陽はこの静的かつ無限の宇宙の中心になることは間違いがないわけで、遠くに見える雲のようなモヤ(星雲)や白く流れる川のようなもの(天の川)は太陽系銀河の周りの飾りなのです。この銀河のほかに銀河は存在しません。

と思っていたら、アインシュタインやらハッブルやらが、特殊相対性理論や一般相対性理論やドップラー効果を駆使して、銀河は無数に存在して、しかも、もの凄いスピードで離れていっていることを確認したのでした。

そして、驚くべき事に猛スピードで離れていく銀河達の時間を逆回転させると、内側に反転した全ての銀河達の軌跡は、同方向に向かい、最終的には一点に集約されるのでした。

すなわち宇宙に広がる星々は最初は一点であって、なにかの拍子に爆発的に広がって、今日の宇宙になったのです(ビッグバン。ちなみにロンドンの時計塔は・・・)。

以上が、「宇宙創成」上巻の超訳です。もちろん下巻はまだ読んでません。
この後、宇宙を股にかけたこの物語がどんな展開を見せるのか、非常に楽しみです。
いつか下巻の内容も紹介したいと思います(読む予定はないのですが)。

※ちなみに北海道の七夕は8月7日です。
本州より1ヶ月遅いのは、緯度の差により、天の川が光のドップラー効果により赤色偏向して織り姫と彦星の逢瀬にタイムラグが起こるからです(たぶん)。
F生

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