2014.12.19
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我、Nullと呼びすさぶ

早いもので本年も残り二週間を切りまして、一年の総括なんてものを書くのに適した時期になりましたね。
まぁそうは言っても、別段何か総括したいものもないので今回もいつもみたいな感じで。

近頃はアナログゲームからのゲーム機話でお茶を濁してきましたが、いくらなんでもそんなにポンポンゲーム機を買えませんし……。何を書けばいいものやら、ネタになりそうなめぼしいものはないものか他人の記事を見ていたら、まだやっていない類のものを見つけました。
つまり学生時代においては休暇の課題でお馴染み、「本の感想」!
(実は記事全体でいうなら三つ続けてになっちゃうのは目をつむって!)
今回感想を書く本は「りぽぐら!/西尾維新」。
発売は一月な上に手にしたのもその時期で、感想を書くには完全に遅きに失した感が否めないものの、しかし感想を書きたい!そう考えたのはもう単純に「面白かったから」。
その理由は勿論中身も面白い上に、そもそもこの本の企画の「リポグラム」そのものが大変面白い。
そもそも「リポグラム」は「決まった文字を使ったりしないで何かを書く、もしくはもう書き上げたものから決まった文字を除いて改めて書く」なんていうもの。
つまり、
「あなたの氷みたいな視線に、もう何も言えなくなった。」
から「あいうえお」を無くして
「君の無関心な目つきに、二の句が継げなくなった」
みたいなものに書き換えた感じ?(書き換えが下手なのは仕方ないので置いておいて。)
そして、この本においてのリポグラムの決まりは以下のもの。
パターン「イ」
あ.自由に短編をかく。
い.五十音から6文字選択。選んだ文字は自由に使っていい。
う.残りの文字からランダムで10文字単位の「固まり」を決定。
え.各「固まり」単位で、その10文字を除いて「あ」の話を書き直し。
(小文字「っ」や「ゃ」は大文字がダメな場合は禁止。濁音半濁音も清音がダメな場合はやはり禁止。「ー」はその前の母音扱い。)
パターン「ロ」
あ.自由に短編をかく。
い.五十音からランダムで10文字単位の「固まり」を決定。
う.残った6文字は自由に使っていい。
え.各「固まり」単位で、その10文字を除いて「あ」の話を書き直し。
(小文字「っ」や「ゃ」は大文字がダメな場合は禁止。濁音半濁音も清音がダメな場合はやはり禁止。「ー」はその前の母音扱い。)
パターン「ハ」
あ.自由に短編をかく。
い.五十音からランダムで10文字単位の「固まり」を決定。
う.残った6文字は全「固まり」で使ってはならない。
え.各「固まり」単位で、その16文字を除いて「あ」の話を書き直し。
(小文字「っ」や「ゃ」は大文字がダメな場合は禁止。濁音半濁音も清音がダメな場合はやはり禁止。「ー」はその前の母音扱い。)
パターン別に基本の短編が一編。そして上で決めた禁止文字でのリポグラム短編も込み込みで合計十五編から出来たこの本は、単純に言っても難解であり、一回では理解できない場面も多々ありました。
「リポグラム」の性質や禁止文字的に、書き方が難解になってしまう点(「た」が駄目な場合は言い切りの「だ」が使えないので、話全体の書き方を昔っぽくして「なり」を使ったり)や、「マジでこの文字使ってないの??」なんて疑う結果文字や単語の単位で気を張ってしまったり。
ただ、逆に言えばこの本の楽しみ方がその「難解」に向き合う行為そのものなのも確かで、気を張った結果「ほうほう、この書き方は本来はOKでも、全体の一致のために別の書き方になったのか!」なんてものに気がついたりして、いややはりその道の専門家の妄執・執念みたいなものに畏敬や感嘆の念を禁じえません。
そもそも、短編ながらも一編が二段組で二十ページくらいあって、こんな大変な決まり且つ、理解可能な形でそんな長いページの話を書こうなんていう行為そのものが恐ろしいものだなぁなんて思ったり。
そろそろ「もう本の感想じゃなくて本の説明じゃん!」なんてツッコミが聞こえてきそうになりつつも、「実験扱い」なこの本はそもそも信者の多い西尾維新本の中でも、単語の選択であったり書き方の可能性であったり西尾維新感てんこ盛りなので、手にしてそして混乱してほしい!なんて締めで今回はここまで(t)
ちなみに、この記事もリポグラム(禁止文字は題名)で書いてあったのに気が付きました?
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