大学生の頃毎日日経新聞の経済学の入門ページを読んで勉強したレベルで、覚えてたこと。
景気というのは、「M×V」で表されます。
景気:M×V
M:お金の量です。
V:お金の回転速度です。
一般にマクロ経済学的にはVの速度は一定なのです。
Mが日銀の発行している現金の量というのなら、話は簡単なのですが、実際は「現金+預金」で表されます。
実感としても、現金だけっていうのは変で、現金+預金というのは、正しいですよね。財布の中には1000円しか入っていなくても銀行口座に、1000万円も入っていれば、十分買い物をするでしょう。(個人なら)
ところが、この預金と言うのが曲者なのです。
銀行に預けられたお金はどこかに貸し出されます。普通は企業に貸し出されますよね。もし預けられたお金を全て貸出してしまったとします。その場合は、現金になっているかも知れませんが、さらにどこかの銀行に預けられているかもしれません。
しかし、全部貸出してしまったらお客さまから解約すると言われると、手持ちの現金が無いとこまります。銀行はある程度手元に残しておいて、残りを貸出します。この比率をRとします。(本当は個人や企業が現金で保持する分もありますが、これは簡略的に0としています)
日銀が発行している貨幣の量(これをマネタリーベース呼びます)をM0とすると、見かけ上のお金の量は以下のような式になります。
M = M0 / R
たとえば、入ってきたお金の20%を手元に残して、残りを貸出す場合は、0.2で割って元々の現金の五倍のお金があるように見えます。
M = M0 / 0.2
アベノミクスで日銀行っている「量的緩和」というのは、市中の国債を買って現金を供給することです。このとき日銀は日銀券を刷りますので、マネタリーベースは増えます。ところが、景気は良くなっていません。実際にはインフレ率は、1%にも届いていません。 そう、Rが大きくなっているのですね。
マネタリーベースが2倍になっても、Rも2倍の40%になってしまえば、見かけのお金の量は変わりません。
先ほど銀行は入ってきた貯金の二割を取っておくといいましたが、兆円という単位ですので、現金で取っておいたら場所をとりますし、セキュリティも不安です。
そこで日銀当座預金というところに預けます。
本来的には銀行が貸出し過ぎないように、キープする部分を決めていましたが、このキープする部分を日銀が預かるのが日銀当座預金というものです。
どんどん日銀が国債を買っているにも関わらず、貸出されてないで、何しろ貸出先が無くなってしまったので、最近では、ここに溜まるようになってきていたのです。
そこで、当座預金に預かる部分で、一定額以上の金額には、マイナス金利を導入しました。日銀当座に預けていないで、ちゃんと貸出せということですね。
本来借り手がいなければ、景気というのは良くなりません。
誰がお金を借りるのでしょうか?
個人の場合は、死ぬまでに返さなきゃならないので、借金をそう増やすことはできません。
しかし会社や国家は無限に続きますので、借り続けることができます。
ここで重要になってくるのが、バランスシートです。
1000億の借金があっても、1200億の資産があって、毎年経常黒字が出いていれば問題がないでしょう。
ところが最近はお金を借りる会社が減っています。需要が無ければ、設備投資もしませんし、お金を借りる必要がなくなってきます。
どこかが需要を作り出さないとなりません。
日本の場合GDPの60%以上が個人消費だといわれています。前回の消費税アップで5%から8%にアップしましたが、個人消費はそのまま、3%くらい落ち込みました。消費税アップは厳禁であることがわかります。(ちなみに3%にしたときも、5%にアップしたときも、GDPは消落ち込みました。)
賃上げは効果があります。インフレ期は旺盛な設備投資意欲がありますから、貯蓄性向の強い高所得者を賃上げしたほうが効果的です。しかし、今はデフレで設備投資意欲はありません。いくら貯金になっても需要が喚起されません。
そうすると一番良いのは、消費性向の強い、低所得者の賃上げが効果的ということになります。最低賃金を上げれば、即消費に結びつきます。
yna