2017.03.03
F生

「コンビニ人間」ほか

前回ブログから、けっこう月日が経ったような気がします。
ブログを書く順番が遅くなったということは、「書く人が増えた」=「社員が増えた」ということですね。。。なんだか感慨深いものがあります。
歳もとるわけですね、といったことはどうでもよくって、今回も最近読んだ本をつれづれなるままにご紹介したいと思います。

「コンビニ人間」村田沙耶香著 文芸春秋社

コンビニ人間
コンビニエンスストアで働く36歳独身女性の日常を描いた小説です。
日常といっても、彼女は一般人が考える「普通」と少しズレているため、平凡のようでいて平凡ではありません。
コンビニのマニュアルに従うことで彼女は「普通」に生きられるようなのです。
彼女の思考と行動は読者を不安にさせます。
本来、人を不安にさせるのが文学なので、昨年、芥川賞に選ばれたのも当然なのでしょう。
「コンビニ人間」は「便利な人間」のお話ではなく、読者の正常さが問われるお話です。

「フィルターバブル」イーライ・パリサー著 ハヤカワ文庫

フィルターバブル
今やインターネットの検索結果が、検索した人によって違うことは当たり前となっていますが、この本が出た頃(2011年?)はまだ一般的でなかったのかもしれません。
「フィルターバブル」とは、世界に向かって開かれているはずのインターネットが実は自分用にカスタマイズされたフィルターのバブル(泡、膜)に包まれているので、自分が見たいものや自分にとって好ましいものにしかアクセスができなくなっているといった意味です。
確かにインターネットに繋がってはいるものの、LINEやFacebookといった同種の意見を持った人が集まる閉鎖空間に浸っている人は多いかもしれません。

「みんな酒場で大きくなった」太田和彦著 河出文庫

みんな酒場で大きくなった
吉田類氏(テレビでよく酔っ払っている詩人?俳人?)とは別ベクトルの元祖酒場探訪者・太田和彦氏の居酒屋対談集です。
太田和彦氏の本業がデザイナーであることを本書で知りました。(だから、どうしたって話ですが)
代表的著書「居酒屋味酒覧」は酔っぱらい必携の一冊です。(持ってないけど)
本書は角野卓造氏、椎名誠氏、川上弘美氏、東海林さだお氏等6人とお気に入りの居酒屋で対談した記録です。
酒や肴や人生(?)について語り尽くしていますので、大いに何かの参考になるはずです。(何の?)
不思議なことに読んでいるうちに呑みたくなる本で、呑んでるうちに酔ってしまう本です。
実際、今、呑んでないのに酔ってます。
アルコール依存症には便利な本です。(嘘です)

そんなわけで、白酒の美味しい季節になりました。
もうすぐ春ですね(遠い目)。
                                            F生

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