2018.04.30
蠢く蜂起

ゴールデンウィーク

こんにちは!
ブログ初投稿になります、SYでございます。
以後よろしくお願いします!

世はゴールデンウイーク、9連休の方もそうでない方もいらっしゃると思います。
このような長期休暇では旅行、帰省などのため、人や物の往来がいつもより活発になります。
その時注意したいことは数多くあると思いますが、本ブログではその中でも感染症について触れてみたいと思います。

麻疹

現在日本で麻疹が流行していることをご存知でしょうか?
最近やっと少し報道されるようになりましたが、3月19日、沖縄で麻疹患者が出ました。
この患者は30代台湾人男性です。その後愛知県でも麻疹患者が報告されています。
最初私が麻疹の記事を読んだとき、台湾?なんで?と思いましたが、渡航歴をみてなんとなく腑に落ちました。
詳しいことは「麻疹」とか「麻疹 ワクチン」などで調べればいくらでも出てくるのでここでは割愛します。
流行自体は、沖縄県民や医療関係者の力により、アウトブレイクとはならず、収束しつつあります。

沖縄県ホームページ(www.pref.okinawa.jp/site/hoken/chiikihoken/kekkaku/mashin.html)

医療、医学について関心の多い方は数多く、ウェブ上にも様々、玉石混淆といったように情報が溢れています。
中には医師によるものでさえ、誤った情報が書いてあることがあります。
NEJMやLancetといった超一流の原著論文を読めればいいのですが、なかなか難しいと思います。
医学者や臨床医にとって論文を読むことは普通のことですが、一般の方々がそこまでやる必要もないでしょう。
中には論文をサラッと読んで近医受診してお医者さんをあっと言わせる患者もいるらしいですが…

感染症

さて、話は感染症に戻ります。
感染症といっても様々ですが、人から人への感染でまず思いつく経路として、飛沫感染、空気感染、接触感染が挙げられると思います。前2つは同じじゃないか、とお思いでしょうが、少し違うのです。
飛沫感染は水分を含む直径5 μm以上の粒子で、あまり空気中を拡散できません。一方空気感染は飛沫核感染とも呼ばれており、飛沫の水分がなく、粒子径も5 μm未満で空気中での拡散能が高いです。冒頭に出てきた麻疹は空気感染の経路をとります。

昭和大学薬学部(https://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/frdi8b0000001sb0-att/a1437547184715.pdf)

ざっくり申し上げると、くしゃみなどで飛沫が飛んでくると思いますが、それをもろに吸い込むと飛沫感染です。飛沫がどこかに飛び散り乾燥し、飛沫核が空気中を漂って、それを吸い込んでしまうと空気感染です。
飛沫感染については一般的なマスクを着用することである程度の予防効果は期待できますが、麻疹のような空気感染するものともなるとN95といった医療用の特殊なマスクでないとまず防げません。
とはいっても、麻疹に関してはワクチンや小児期での自然感染で免疫されていることが多いので、必要以上に恐れることもないのかなと思います。あと、日本土着の麻疹ウイルスはおらず、今回の麻疹患者は輸入症例であるということを申し添えておきます。

飛行機やら新幹線やら、多くの方が乗ることになるでしょう。その時にはぜひマスクを着用しましょう。あと、そこらへんに飛沫をばらまくといった、咳エチケットに反する行為はなるべく慎みましょう。また、そのような方がいたら近づかないのが無難です。そして、手洗いうがいにより接触感染を防ぐ。別にこれは何も目新しいことではありません。今回の麻疹流行で感染症予防の基本について見直すことができたのではないかと私は感じています。感染症にやられることなく、楽しいゴールデンウィークを過ごしましょう!

SY

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