2019.11.18
MRT

マクロに捉えてミクロに行動する

突然ですが、ことわざで「井の中の蛙、大海を知らず」と言うのがあります。
これはご存知の通り、井戸の中に住む蛙は、井戸の中が世の全てと思い、外にもっと大きな世界がある事を知らない、という事から知識、知見が狭い事の例え、またそれにとらわれて広い世界がある事に気づかず、得意になっている人の事を言う時に使うことわざですね。

最近は、今まで関わった事のなかった「宇宙」に関わる仕事をしており、まさに自身が「井の中の蛙、大海を知らず」と思う事が毎日のようにあるのでそれをネタにしてみました。
ちなみに今関わっている仕事とは全然関係ない話題です。

放射性廃棄物の処分方法

放射性廃棄物の処分方法に関しては、

  • 地層処分(地面深くに埋めちゃおう)
  • 長期管理(安全に処分する方法が見つかるまで取っておこう)
  • 海洋底処分(深海に沈めちゃおう)
  • 氷床処分(南極の氷の下に埋めちゃおう)
  • 宇宙処分(ロケットに載せて太陽にポイして燃やしちゃおう)

が国際機関や世界各国で検討されてるそうです。

多くの国は「地層処分」と「長期管理」の方法をとっています。「海洋底処分」はロンドン条約で禁止されており、「氷床処分」も南極条約で禁止されています。
「宇宙処分」については、技術的に難しいとされています。

条約で禁止されているのはしょうがないとして、「宇宙処分」は何がそんなに難しいのか?

万が一、ロケット発射時に爆発したら、マジ怖い

ロケット発射時に爆発する恐れがあり、万が一、爆発した場合に地球に及ぼす影響が大きすぎる。
なるほど、確かに。「もしも」を考えると恐ろしいですね。
「コロニー落とし」ぐらい怖いですね。

そもそも太陽に向かってロケットを飛ばす事が難しい

地球は太陽を中心に回っていますね。いわゆる「公転」というやつです。小学校で習いました。
なので地球から太陽に向かってまっすぐに撃っても簡単には当たらないのです。

地球から太陽に向かって仮にまっすぐに撃っても公転している遠心力で公転方向にロケットは進んでしまい、太陽から離れて行ってしまうんですね。

それでも太陽に向かうには、

  • 公転を止める
  • 公転と逆方向にロケットを飛ばす

必要があります。
「公転を止める」は無理っすね。なので「公転と逆方向にロケットを飛ばす」事をしなければなりません。


エスカレータで同じところに居続けるのに逆方向に歩くのと同じです。(よいこはマネしないでね)

公転は約秒速30km(時速108000km)なので、地球からはロケットを秒速30kmで発射しても宇宙から見ると止まっている状態です。さらに太陽に近づかないといけないので、さらにパワーが必要です。

地球自体も回っていますね。いわゆる「自転」てやつですね。これは利用しないわけにはいきません。ハンマー投げのように遠心力を使ってロケットを飛ばせば、宇宙から見ると自転をロケットの速度に載せる事ができます。
実際に静止衛星を飛ばすのに、より小さなエネルギーでロケットを飛ばせるように種子島宇宙センターは赤道付近に射場を設置しており、より赤道に近く、自転の遠心力に載るように東南方向にロケットを発射させます。(それだけが理由ではないですが)

一番早い「赤道」上で時速1700kmなので、

  • 公転(時速108000km) - 自転(時速1700km) = ロケットの発射速度(時速106300km)

となります。(実際にはもっといろんな事を計算しないといけないんでしょうが、ここでは考えるのをやめます)
この速度で放射性廃棄物を爆発しないようにロケットを飛ばすって。。。難しいですね。

地球から見ると」時速106300kmで進むロケットも「宇宙から見ると」時速0kmで(止まって)見えるって事ですね。

これは物理学の話ですが、話を飛躍させると「地球からの視点」と「宇宙からの視点」で全然違う物の見え方がします。
大きな視点(宇宙からの視点)で捉えれば、小さな視点(地球からの視点)では気づけなかった考え方をしなければなりません。

何事もマクロ(俯瞰)で捉えて、ミクロ(タスク)に分解して判断・行動する
ってのが大事だよね。という話でした。

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