2019.11.25
hamanaka

税理士といっても、会計処理と税金の計算ばかりではありません!

アンタッチャブルレコードとされていたサム・スニードの最多タイ記録に並ぶ歴史的勝利を日本で達成したタイガー・ウッズ、
驚嘆に値するハートとタフネスを示したニノト・ドネア、スポーツ界のレジェンドに胸踊らされ続きの毎日でした。

さて、何を書いたら良いものか?ゴルフ、ワイン色々ありますが、何も悩まずに書けるものといったらやはり本業としている税金の話でしょうか・・・
税理士といっても、会計処理と税金の計算ばかりをしているわけではありません。
某会社のオーナーであるクライアントさんとの税務相談のメモからお話をしてみようと思います。

税務相談メモのお話

自社株の処分(売却あるいは贈与)に当たっての自社株の評価(値段)についての相談でした。
自社株の値段が売り手と買い手、個人か法人(会社)かでみごとにその値段が変わってしまいました。
会社が売り手の場合は、個人が売り手の場合の約10倍もの値段になってしまったのです・・・

売り手と買い手、個人か法人(会社)かという視点で以下に簡単にまとめてみます。

1.個人から個人への譲渡
  財産評価通達に基づく評価額(時価)での譲渡であれば、売主・買主ともに課税関係は発生しません。
  売主は、著しい低額譲渡の場合であっても時価による「みなし譲渡」課税を受けることはありません。
  しかしながら買主は、譲渡価額と時価との差額に「みなし贈与」課税を受けることとなります。

2.個人から法人への譲渡
  所得税法(法人税法)基本通達に基づく評価額(時価)の譲渡であれば、売主・買主ともに課税関係は発生しません。
  売主は、著しい低額譲渡の場合には時価での「みなし譲渡」課税を受けることとなります。
  買主は、譲渡価額にかかわらず時価との差額が受増益として課税を受けることとなります。

3.法人から法人への譲渡
  法人税法基本通達に基づく評価額(時価)での譲渡であれば、売主・買主ともに課税関係は発生しません。
  時価未満での譲渡の場合、売主は時価との差額は寄付金となり、買主は時価との差額が受増益として課税を受けることとなります。

4. 法人から個人への譲渡
  法人税法基本通達に基づく評価額(時価)での譲渡であれば、売主・買主ともに課税関係は発生しません。
  売主は、時価未満の場合には買主が役員なら時価との差額は役員賞与となり、役員以外なら寄付金となります。
  買主が役員なら時価との差額は給与所得となり、役員以外なら一時所得となります。

さて、いかがだったでしょうか?私にとってはとても興味深く、脳みそが刺激されて楽しい話なのですが・・・

*財産評価通達・所得税法基本通達・法人税法基本通達

基本通達とは、課税庁(国税局や税務署など)の取扱いを統一するための内部規定のことで、法令解釈の指針となるものです。
財産評価通達は、相続税などを計算するときに、法人税法及び所得税法基本通達は、それぞれの税務処理の際には必ず確認をする必要があります。

hamanaka

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