「飛込競技」という水泳の種目をご存じですか?
高いところからクルクル回ってプールに飛び込むあの競技です。
テレビで観たことはあっても実際に見たことがある人は少ないのかもしれません。
私が毎年インターハイの飛込競技の審判員をやっていることから競技の普及の意味も込めて飛込競技を紹介します。
飛込競技は、プラットフォーム(固定台)やスプリングボード(飛板)からダイバーが美しいポーズや複雑な回転をしながら水中に飛び込む競技です。
技の難易度と演技の完成度で採点され合計得点を競う競技です。
演技の点数は「技の難易度」と「審判の採点」の掛け算で決定されます。
技(「演技種目」と言います)にはその難易度によって「難易度」という基礎点が定められています。(一部抜粋)
回転数が多い方が難易度が高い、と思ってもらってよいです。(それはそう)
回転数などによるざっくりと分けるとすると
・前や後ろに回転する種目
・回転する間に「捻り」が入る種目
・(固定台に限り)逆立ちの姿勢から演技を開始する種目
があり、空中姿勢には
・伸型
・蝦型
・抱型
があります。
各審判員は演技を見て、演技種目の難しさではなく演技全体の印象(完成度、美しさ、高さ等)を見て採点します。
採点は下図のようなカテゴリに分かれています。
上記のカテゴリの他、入水の角度(垂直からどれだけずれているか)や足が曲がっていたりなど、細かな減点項目などがあり、全体の印象からマイナスするなどを行い点数を決定します。
審判員は演技が終わって(入水直後)から1-2秒で点数を(機械式の場合は)入力する必要があり、集中力が必要とされます。
参考:飛込競技規則https://swim.or.jp/assets/files/pdf/pages/dive/rule-book/20180401_%E9%A3%9B%E8%BE%BC%E7%AB%B6%E6%8A%80%E8%A6%8F%E5%89%87.pdf
演技の点数は複数の審判員の採点の上下をカットした3人分の合計点に難易度をかけた点数が演技の点数となります。
例:
少し麻雀の点計算に似ていますね。(符×翻数 的な)
点数のことなど細かいこと説明しても伝わりづらいですよね。
実際の世界大会(Diving World Cup 2023)を見てみましょう。
日本からは「玉井陸斗」選手が出場しています。
2022東京オリンピックで7位入賞しており、まだ17歳と若いですが世界で戦える日本選手のうちの一人です。
本大会で2位という成績を残しており、次のパリオリンピックではメダルが期待できる選手です!
少子化で全てのスポーツの競技人口が減っているかと思いますが飛込競技も例外ではありません。
競技種目の存続の為にも少しでも興味を持ってくれた方が飛込競技を見たり、お子様(本人でも!)が競技を始めてくれたら幸いに思います。
Ric