2016.10.07
gon

水稲刈り

親の実家が農家ということもあり、田植え~稲刈りを一貫して行う事が毎年恒例になっています。
夜勤前に稲刈りをしてきたので、我が家の様子を基に稲刈りの工程と使用する機械を紹介しようと思います。

水稲農家の多い北海道・東北辺りの方なら大体の人が見たことがあるコレ、9月~10月の間に行われる稲刈りのためのコンバインという機械です。
コンバインは大きく分けて2種類あり、上に管が付いてるタイプ(グレンタンク式)と、管が付かずに籾の落ちる部分が剥き出しになっているタイプがあります。

<コンバイン>


konbain2konbain1

左画像の管ありは、籾をコンバインの中に溜込みトラックの荷台へ籾を放出し、トラックで乾燥機へ運んだ後に別の機械で乾燥機へ入れる。
右画像の管なしは、籾袋に入れてトラックまで人力で運び、トラックの荷台から人力で乾燥機へ入れる。(一袋35~40kg x 100個 = 3.5~4t)
最近の農家のコンバインの主流は管があるタイプで、兼業農家の我が家では本業の合間を縫って作業を行うため、短時間で作業が終わる管のないタイプを使用しています。
いつ辞めるかもわからない小さな農家のため、数百万もする新しい機械を簡単には買えないという事情も。。。

管あり/管無しのお互いのメリットデメリットについては以下の通り

◆メリット

●管あり

  • 籾袋の積込み&積降ろし、乾燥機への籾入れ作業などが省略され力仕事が殆ど無い。
  • 力仕事が無いため、稲刈り→乾燥機までの工程が一人でも可能。

●管なし

  • 稲刈り機がトラックへ搬入する方法とは違い、稲刈りを止めずに行えるため作業時間が短い。
  • 常に袋詰めしているため、コンバインの事故&故障時にも籾の品質を落とすことが無い。

◆デメリット

●管あり

  • 田圃の中で拔かる/クローラ(キャタピラ)が切れる等の事故&故障時にすぐに乾燥機に入れれずに、籾の品質が低下する場合がある。
  • トラックへの搬入時、籾の湿気が多いと管に籾が詰まる事がある。

●管なし

  • 合計4トン近くを一人で2回運ぶため、実質8トンの人力運搬を1日でやるのは疲れる。
  • あぜ道等の段差が激しい場所で籾袋を運べる程度は体力のある人が必要。
  • メリットの短時間作業を可能にするために、コンバインの運転と籾袋詰め&運搬の作業で最低二人は必要になる。

ここまでは稲を刈る話ばかりですが、稲刈りは刈るだけでは終わらず、大まかに以下の工程を経て出荷します。

  1. 稲刈りで籾を採る
  2. 篩いにかけ小石/未熟米/ゴミ等を取り除く
  3. 品質を保つためすぐに乾燥機で籾の湿度が15%になるように乾燥(12~30時間)
  4. 湿度&温度管理された綺麗な場所へ保管
  5. 籾摺りで籾から玄米に加工と同時に篩いにかけ小石/未熟米等を取り除く
  6. 玄米を米袋(一袋30kg)へ梱包
  7. 組合/卸業者/個人へ出荷し料亭や食卓へ
  8. トラクターで田圃を起し、稲殻を腐り易くする

<米袋>

rice

<籾袋>

nuka

<乾燥機>

kansouki

組合/卸業者/個人へ出荷の部分を省略して書きましたが、最近の組合や卸業者では品質チェックのために納品された玄米に対してセンサーを通して様々な品質チェックを行ってから納品した米の価格が決まります。
細かく言うと様々なものがありますが、大まかには以下のような形です。

  • 稲が育つ過程での虫食い等での変色
  • 乾燥機に入れるまでに時間がかかった場合の焼け米
  • 選別時に選別しきれなかった未熟米/石/鉄分等の異物

この後、ようやく一般家庭に販売可能な玄米として扱われます。

作ってる側からすると、「有難がって食べる」とかそういう事はどうでもいいから勝手にやっててって感じなのですが、
もう少し大勢の方に、腹を満たすだけの無味無臭の食べ物とか、高い米だから美味しいではなく、新米/古米や品種/品質(A5牛肉みたいなやつ)/炊き方/精米方法で独自の味・歯ごたえ・香りがあり、ラーメンのように個々人の口に合う/合わないがあり、自分の口に一番合う形を探すのは意外と奥が深くて楽しいってことを、知ってくれると嬉しいと思います。

今回頑張って記事書いたので、次回ブログ書く時はTwitterとかFacebookでよく見るような数行だけの形にします。
早く新米と釣った鮭でイクラ丼作って腹壊すまで食いたい

gon

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